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新世代の工芸で一服を 5、6日に21美で茶会

2022年10月27日 05時05分 (10月27日 11時36分更新)
田中若葉さんが漆の技法で作った茶杓。持ち手部分にアート感覚が生きる

田中若葉さんが漆の技法で作った茶杓。持ち手部分にアート感覚が生きる

  • 田中若葉さんが漆の技法で作った茶杓。持ち手部分にアート感覚が生きる
  • 茶会に向けて、作品を語り合う田中若葉さん(左)、岡本恭子さん=金沢市内で

螺鈿やガラスの茶道具でもてなし

 若手工芸作家が作った茶道具でもてなす「新・工芸茶会」が十一月五、六の両日、金沢市広坂の金沢21世紀美術館の松涛庵(しょうとうあん)で開かれる。主催する県次世代茶道具プロジェクト代表の岡本恭子さんは「現代感覚を生かしつつ、使いやすさも考えた道具でお茶を楽しめる。初めての人でも気軽に参加をできる」と呼びかけている。(沢井秀和)
 竹でシンプルに作られることが多い茶杓(ちゃしゃく)。金沢市の漆作家田中若葉さん(32)は、持ち手部分に螺鈿(らでん)技法を採り入れて、花をかわいく抽象化したり、細い貝殻をいくつも埋め込んだりして独自の装飾を試みている。
 花を入れる器には、麻布漆で貼り重ねて形にする乾漆の技を使い、ほかにはない質感、雰囲気を醸し出す。黒色の花器は花の差し口に、螺鈿を施し、上品さを生み出す。緑色の花器は卵殻も埋め込み、こけむした感じを与えている。
 田中さんは、四年ほど前から茶道を本格的に習い始めた。お茶のもてなし空間を壊さず、自分らしさを出す道具作りを目指している。田中さんは「漆作品はお堅いイメージもあるが、緩やかな形や加飾で柔らかさを表現したい。自然や風景をモチーフに制作した漆の世界を体感してもらえると、うれしい」と話す。
 ガラス作家の富永一真(かずま)さん(35)=富山ガラス造形研究所勤務=の茶道具でもお茶が提供される。一面に鏡が張ったように表面にプラチナ箔(はく)が施された茶わん「ギラチャ」、ガラスが縮こまる性質を利用した細かな「しわ模様」がある茶わん「皴(しわ)」などが使われる。
 五日は富永さん、六日は田中さんがそれぞれ席主を務め、作品を解説する。岡本さんは「作家と直接、話ができる絶好の機会。洗練された道具、茶会を皆さんとともにつくっていきたい」と話している。
 参加費は千五百円。北陸中日新聞後援。当日券もある。(問)info@coolkanazawa.com
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