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内灘闘争 芸術で継承 70年展示やシンポ

2022年9月28日 05時05分 (9月28日 13時34分更新)
内灘闘争や沖縄の米軍基地問題などをテーマにした絵画、インスタレーション作品の展示=内灘町の町歴史民俗資料館「風と砂の館」で

内灘闘争や沖縄の米軍基地問題などをテーマにした絵画、インスタレーション作品の展示=内灘町の町歴史民俗資料館「風と砂の館」で

  • 内灘闘争や沖縄の米軍基地問題などをテーマにした絵画、インスタレーション作品の展示=内灘町の町歴史民俗資料館「風と砂の館」で
  • 着弾地観測所跡で展示された山岸真弥さんの彫刻作品=内灘町宮坂で

金美大生、沖縄出身画家ら制作

 朝鮮戦争時、米軍の砲弾試射場に反対した住民運動「内灘闘争」をテーマにした美術展「内灘闘争 風と砂の記憶」が、内灘町宮坂の町歴史民俗資料館「風と砂の館」などを会場に開かれている。金沢美術工芸大の学生や大学院生ら有志七人が闘争の歴史や現場の遺構に触発されて制作した絵画や彫刻などが並ぶ。(松岡等)
 彫刻専攻の金塚良菜さん、岸桃子さんと日本画専攻の麦谷真緒さんの三人(いずれも四年)は座り込み運動の中心だった女性たちの記録や証言を調べ、同じ砂浜で自分たちが語り合った言葉を砂の上に表示させるインスタレーション(空間芸術)作品を展示した。
 今年は闘争から七十年であるとともに沖縄の本土復帰五十年でもある。同大大学院で博士号取得後、現在は金沢市内で小学校教員を務める画家の上原勇希さんは沖縄県糸満市出身。沖縄の現代史と同県出身でウルトラマンシリーズで知られる脚本家金城哲夫さんの世界を重ねた叙事詩的絵画三部作を展示したほか、内灘闘争のむしろ旗と現在の自画像、パソコンで学ぶ小学生とを画面に配置した近作で、闘争の歴史を現在とのつながりの中で表現した。
 着弾地観測所跡では山岸真弥さん(修士課程一年)がさびた鉄とステンレスの板を編み込んだ彫刻作品を展示した。「鉄で失われるもの、ステンレスで残るものを表した。闘争があったことを知らなかったが、制作を通じて、意識すれば歴史のできごとに終わらせずに今につながると感じた」と話した。
 資料館での展示は三十日まで。十月二〜十三日には同町文化会館ロビーで展示する。関連イベントとして「内灘闘争七十年シンポジウム」が二日午後一時から、同会館である。本康宏史・金沢星稜大教授、小笠原博毅・神戸大教授、星野太・東京大准教授、上原こずえ・東京外国語大准教授、稲垣健志・金沢美術工芸大准教授が、内灘闘争や沖縄の問題を文化の視点を踏まえて語り合う。
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