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【北の富士コラム】さすがに相撲ぶりが硬かった隆の勝 非情な結果だが優勝争いは2度楽しめることに

2022年5月21日 05時00分

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隆の勝(右)が引き落としで若隆景に敗れる

隆の勝(右)が引き落としで若隆景に敗れる

◇20日 大相撲夏場所13日目(両国国技館)
 2敗の隆の勝が負けたので照ノ富士、隆の勝、佐田の海が3敗で並んだ。あと2日を残して4敗組にも優勝のチャンスは残されてはいるが、面倒だから予想はよそう。へたくそな駄じゃれを言っている場合ではない。真面目にいきましょう。
 再度、混迷を招いたのは隆の勝が敗れたことにほかならない。優勝宣言していた隆の勝だが、さすがに相撲ぶりは硬かった。持ち前の立ち合いの当たりが鋭さを欠いて若隆景に当たり負けし、先手を取られて押し込まれた。
 慌てた隆の勝が何とか突き放そうとして、頭を下げて押し返そうとする。そこを若隆景がタイミング良くはたき込むと、足の出ない隆の勝がバッタリと前に落ちてしまった。隆の勝も、やはり人の子である。強気なことは言っても体が動いてくれない。これがプレッシャーということか。
 一方の若隆景は、もう一番も負けられない。やっと8勝では許されないのである。最悪でも9勝せねば大関昇進は夢と消えてしまう。隆の勝も若隆景も、残された2番は重大な意味を持っていることを肝に銘じて戦ってほしい。隆の勝には非情な結果だったが、優勝争いが振り出しに戻って2度楽しめることになった。
 このところ、幕内の下位で一向に「うだつ」の上がらない佐田の海は、持ち前の速攻相撲がさえにさえ渡り、この日も強敵の豊昇龍を一気に寄り倒して3敗を堅持。優勝争いに割って入ってきた。14日目の相手は大栄翔。佐田の海にとっては、あまりありがたい相手とはいえないだろう。
 しかし、佐田の海は失うものは何もない。立ち合い低く当たり、左を差せばチャンスあり。隆の勝は霧馬山と対戦するが、まわしを許すと相手は強い。だが、本来の当たりができれば一息で押し切れるだろう。
 そこへいくと照ノ富士は史上最弱の大関・正代と顔が合っている。これは、いくら何でもミスマッチでしょう。審判部も、大関のメンツをつぶさないための苦肉の取組だとは思うが、今の大関陣の現状を考えると、そんな常識は通用しないだろう。
 しかし、相撲に絶対はない。正代が勝たないとも限らない。まさかそんなことは千に一つもないと思うが、そうなると照ノ富士はたまりません。今場所は悲惨な場所となったが、優勝の行方が千秋楽まで決まらなかったことだけが救いである。
 なんだかんだと注文ばかり書いてしまったが、本当のことを言うと私は優勝なんか誰でもいいんです。宇良の足が心配なのと、熱海富士に十両優勝させたいこと、北の若に残る2番を勝たせたいこと。特に熱海富士には頑張ってもらいたい。
 去年もそうだったが、名古屋に入る前は熱海に遊びに行く予定があるので、ぜひ優勝してほしい。もし優勝したら、熱海の芸者衆を総揚げだ。総揚げといっても、今では芸者さんも少なくなって実に寂しい。かつて私はミス熱海の審査委員だったので、熱海は結構詳しい。
 一体、俺は何の話をしているのか。今場所は話題に事欠くのでくだらない話までしてしまう。ごめんなさい。
 それでは晩飯にします。やっと熊本から馬刺しが届きました。うまそうです。よりによって正代の負け越しが決まった日に馬刺しは食いにくい。明日にします。
 そうだ、今日、京都の大市のスッポンの差し入れがあったのを忘れていた。これも明日。お休みなさい。(元横綱)
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