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公務員から転身 西前頭15枚目・一山本が勝ち越し一番乗り「いい成績を残せるとは思わなかった」【大相撲夏場所】

2022年5月17日 19時41分

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一山本(左)が突き出しで琴勝峰を破る

一山本(左)が突き出しで琴勝峰を破る

◇17日 大相撲夏場所10日目(両国国技館)
 予想外の動きにも、一山本はしっかり対応した。もろ手での立ち合い。琴勝峰はすぐに右へと変化する。相手が消え、やや焦った。「迷ったときは当たって前へ」。師匠の放駒親方(元関脇玉乃島)からよく言われている言葉が浮かび、再び突いて出ていった。
 3連勝で2場所連続の勝ち越し。西前頭15枚目の関取が、一番乗りで決めた。「とにかくまず勝ち越したいと思っていました」。昨年の名古屋場所、7勝2敗と勝ち越しに王手としながら、まさかの5連敗。千秋楽でなんとか白星を手にしたが、そのときの苦しみを忘れられなかった。
 当時を「先のことを考えてしまった。2ケタ勝って三賞とか」と振り返る。欲が自らを見失わせた。その教訓を生かし、「先のことを考えてもいけない」と目の前の一番に集中している。隆の勝とともにトップに立とうが、北海道勢31年ぶりの優勝に期待が集まろうが、「気にしてないです」と笑い飛ばす。
 出身地の北海道岩内町の観光大使となった。4月28日に放駒部屋で木村清彦町長から認定書を手渡されたとき、「先場所は稽古がなかなかできなかったけど、しっかり稽古できています。体も大きくなりました」と充実の表情を浮かべたそうだ。先場所前は新型コロナウイルスに感染。隔離生活を余儀なくされた。今場所前は動いて、食べて、体重も10キロ増量。体の中身が違う。
 役場の職員という公務員から転身した変わり種。さすがに当時は幕内で優勝争いするなど夢にも思わなかった。「関取になりたいと思ったけど、あまりいい成績を残せるとは思わなかった」。主役になりつつあっても、どこ吹く風。自然体で残り5日間に臨む。
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