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森保ジャパン1次リーグ突破へカギを握る戦いは「ズバリ第2戦」ドイツに敗れても…スペイン戦に望みをつなげ

2022年4月2日 11時15分

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記念撮影で笑顔を見せる日本代表の選手ら

記念撮影で笑顔を見せる日本代表の選手ら

◆コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」
 それにしても、すごい組に入ったものだ。2日午前1時から始まったW杯カタール大会の組み合わせ抽選会。日本はE組に入り、スペインとドイツと同組となった。残り1カ国はコスタリカとニュージーランドによるプレーオフ勝者。決勝トーナメントに進出するには、この組で2位以上に入らなければならない。日本にとってはまさに死の組である。
 史上初のベスト8を目指すなら、どちらかの国を倒すか、引き分けることが最低条件となる。逆に、もしもこの組を突破できれば、ベスト8進出の可能性は、ものすごく高い―ということもできる。それだけに初戦の相手、ドイツとの一戦が大きなウエートを占めてくる。
 初戦には独特のムード、緊張感がある。どの国も、そしてどんな強豪国も、手探りの戦いとなる。そんな特別なゲームほど、ジャイアントキリングが起こりやすい。格下の日本にとっては、当たって砕けろの一戦。ドイツが日本相手に策を弄(ろう)するとも考えにくいし、真っ向勝負を挑める。敗れたとしても、ある意味順当な結果でショックは少ないうえ、あと2試合、チャンスも残されている。
 ただし、連敗したらその時点で日本のカタール大会は終わる。その意味でも1次リーグ3試合のうち最もカギを握る戦いがどれかと問われれば、第2戦と答える。たとえ初戦のドイツに敗れたとしても、第2戦で勝ち点3を手にすれば、スペイン戦に望みをつなぐことができる。そして何よりも、コスタリカかニュージーランドが相手なら、勝てる可能性が高い。勝てなければ、1次リーグ突破の望みは薄い。絶対に勝たなければならない戦いが第2戦なのだ。
 第2戦に関しては、情報戦においても日本は有利だ。ニュージーランドとコスタリカのプレーオフはこれから行われるため、情報収集の準備は万全。森保監督がゲームを見ることもできる。
 抽選後、森保監督は「スペインもドイツもFIFAランキングが上だし、W杯の優勝経験もある。これから分析していくが、相手を上に見るのではなく、自分たちのストロングポイントを出せるように戦う。ドーハの悲劇で夢を絶たれましたが、監督として臨んでドーハの歓喜に変えたい」と答えていた。その表情は明るかった。
 ドイツとスペイン相手に戦って、得るものはあっても日本が失うものは何もない。もしもこのE組を突破できれば、ベスト8進出の希望も膨らむ。森保ジャパンがドイツ、スペインを相手にどんな戦いを見せてくれるのか。日本サポーターとして、W杯を楽しむという意味では最高の組み合わせ。ワクワクしている。
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 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
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