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宝田明さん死去、87歳 今月10日に主演映画舞台あいさつへ登壇したばかり

2022年3月18日 13時50分

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宝田明さん

宝田明さん

 二枚目で知られ、1954年公開の映画「ゴジラ」や数々のミュージカルでも活躍した俳優の宝田明(たからだ・あきら)さんが14日午前0時31分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。87歳。旧満州(中国東北部)出身。葬儀は感染症を考慮し、遺族の意向で近親者のみで執り行った。喪主は妻将未(まさみ)さん。
 宝田さんは4月1日公開の映画「世の中にたえて桜のなかりせば」で乃木坂46の岩本蓮加(18)とダブル主演を務め、自身でエグゼクティブプロデューサーも担当。今月10日には岩本らキャストと公開前舞台あいさつに登壇したばかりだった。
 宝田さんは満州からの引き揚げを経験、戦争の怖さを実体験したことから平和の大切さを機会あるごとに主張。10日の舞台あいさつでもロシアによるウクライナ侵攻を憂慮する発言もしていた。2016年の参院選に「戦争のない平和な国を」と訴え、政治団体「国民怒りの声」から比例代表として出馬表明(その後取りやめ)したこともあった。
 54年、東宝ニューフェイス第6期生として映画「かくて自由の鐘は鳴る」でデビューを果たし、同年の「ゴジラ」第1作に主人公のサルベージ会社所長役で出演、一気に注目を集めた。以降、「青い山脈」「若い恋人たち」など青春映画で主役を務め、東宝の銀幕を飾る看板スターとなった。
 「ゴジラ」シリーズだけでなく、スタイリッシュかつ二枚目の存在感から、64年に江利チエミさんとミュージカル「アニーよ銃をとれ」に出演、70年から「マイ・フェア・レディ」にじゃじゃ馬娘のイライザを教育するヒギンズ教授役で出演。帝国劇場や中日劇場などで再演を重ね、イライザ役の雪村いづみさんや栗原小巻さんらと共演した。
 プライベートでは、66年、元ミス・ユニバース世界大会グランプリの児島明子さんと結婚、3児をもうけ、84年に離婚していた。
 91年までミス・ユニバース日本代表を決める大会の司会も務め、颯爽(さっそう)とした姿がお茶の間で話題となった。
 映画では伊丹十三監督の「あげまん」「ミンボーの女」で自身のキャラクターを生かした役柄を演じた。遺作となった「世の中にたえて桜のなかりせば」は「桜」をモチーフに企画を温め続け、ようやく作品として結実した一作だったという。同作だけでなく、近年も入退院を繰り返す中、「ダンス・ウィズ・ミー」(19年)など多数の映画に精力的に出演、最後まで「映画人」としての情熱は途切れることがなかった。

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