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90代でも 衰えぬ創作熱 中川一政美術館 書と陶芸展

2022年1月16日 05時00分 (1月16日 10時51分更新)
中川一政画伯の雄大な書が並ぶ会場=白山市旭町で

中川一政画伯の雄大な書が並ぶ会場=白山市旭町で

  • 中川一政画伯の雄大な書が並ぶ会場=白山市旭町で
  • 新収蔵の「黒茶碗」=白山市旭町で
  • 干支「寅」を線で描いた「唐津手付花入」=白山市旭町で

「画伯の書きたい作りたい…境地見て」

 中川一政画伯(一八九三〜一九九一年)が、七十代以降に力を注いだ書と陶芸に焦点を当てた春季テーマ展「書と陶芸の世界−自在の境地にあそぶ 前期」が、白山市松任中川一政記念美術館で開かれている。新たに収蔵した「黒茶碗(ちゃわん)」一点を含む書、陶器、絵画など約八十点が並ぶ。三月二十一日まで。
 中川画伯は二十代で画家の道に入り、九十代になっても創作への情熱は衰えなかった。書と陶芸について、画家の余技ではないと断言し、うまい下手にとらわれず、創作意欲の赴くままに打ち込んだ。
 「書もまた写生」と捉えていた中川画伯。万葉歌人の柿本人麻呂が詠み、中川画伯も共感していた短歌を題材にした作品「もののふの」は、九十六歳で書き上げたとは感じさせない力強さにあふれている。初日の出をイメージさせる作品「日出乾坤輝(ひいでてけんこんかがやく)」もある。
 陶芸では、九十代で自ら作った茶器を使って茶会を楽しみ、武骨な作風が多いという。ファンが寄贈した新収蔵の黒茶碗をはじめ、今年の干支(えと)「寅(とら)」を線で描いた「唐津手付花入(てつきはないれ)」、ウサギをふたに描いたお香を入れる容器「兎香合(うさぎこうごう)」がある。書や陶芸にまつわる随想もパネルで掲示していて、創作への思いを知ることができる。
 徳井静華学芸員は「書きたい作りたいという欲求に従って、自在の境地で創作した作品を見に来てほしい」と呼び掛けている。
 後期は三月二十三日〜五月二十九日の予定。観覧料は一般二百円、高校生百円。休館は原則月曜。 (飯田克志)
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