宇野亜喜良さんが新刊 俳句から幻想的な世界描く
2022年1月14日 10時08分 (1月14日 10時27分更新)
五・七・五の言葉に添えられた、妖しくかれんな少女たち。グラフィックデザイナーの宇野亜喜良さん(87)が、画集「Kaleidoscope」(カレイドスコープ)を出版した。自身が選んだ古今の俳句から、題名通り「万華鏡」さながらの幻想的な世界が広がる。
〈寒けれど二人寝る夜ぞ頼もしき〉
松尾芭蕉が現在の愛知県豊橋市で詠んだとされる名句。夜を共に過ごしたであろう芭蕉と弟子に代わり、宇野作品のトレードマークともいえる少女二人が身を寄せ合う。その表情にはどこか憂いを帯びた雰囲気が漂う。取り上げた俳人はほとんどが男性だが、描く作品は「女性の一人称で語りたかった」という。
自句から描いた絵もある。〈ノアノアの女神のかかと夏色に〉。画家ポール・ゴーギャンの絵画から取り入れたという女性は、ふくよかな線と熱帯系の色彩にエロチシズムが薫る。「夏色という季語がどんな色なのか分からなくて。ふと思い浮かんだのが、ゴーギャンが描いた女性のかかとの日焼けしていない部分でした」...
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