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東京五輪の男女混合種目が面白い 7競技で新設 卓球、競泳、柔道など

2020年3月6日 08時30分

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リオ五輪の祝賀パレードでメダルを手にカメラに向かってVサインをする水谷隼(左)と伊藤美誠=静岡県磐田市で(斉藤直純撮影)

リオ五輪の祝賀パレードでメダルを手にカメラに向かってVサインをする水谷隼(左)と伊藤美誠=静岡県磐田市で(斉藤直純撮影)

  • リオ五輪の祝賀パレードでメダルを手にカメラに向かってVサインをする水谷隼(左)と伊藤美誠=静岡県磐田市で(斉藤直純撮影)
  • 混合400メートルメドレーリレー予選で失格となり、引き揚げる(右から)小関、大本、酒井、水沼=昨年7月の世界水泳で(沢田将人撮影)
  • 世界ランキング4位の渡辺、東野組=昨年7月のジャパン・オープンで(潟沼義樹撮影)
  • トライアスロン混合リレーで金メダルを獲得し、笑顔の(左から)佐藤優香、古谷純平、高橋侑子、細田雄一=ジャカルタアジア大会2018、パレンバンで(共同)
  • 男女混合団体で優勝した日本チームの(左から)影浦心、芳田司、大野将平、新井千鶴、村尾三四郎、浜田尚里=昨年9月の世界柔道で(榎戸直紀撮影)
  • (右から)畑山、飯束、昨夏から指導するコーチのマティアス・ビューラーさん(日本セーリング連盟提供)
 東京五輪では、柔道や卓球、競泳、トライアスロンなどの競技で、男女がタッグを組む混合種目が新設される。国際オリンピック委員会(IOC)は「女性のスポーツ参加を促したい」と、以前から五輪参加人数の男女比を同じにすることを目指して、各競技団体に働き掛けてきた。この流れを受けて、東京五輪で混合種目が一気に増えることになるが、競技の目玉になることも期待されている。 (フリージャーナリスト・辛仁夏)
 東京五輪では7競技で混合種目が新設され、計10競技で混合種目が行われる。初採用となる混合種目は、卓球のダブルス、競泳の400メートルメドレーリレーや柔道の団体、陸上の1600メートルリレーなど。射撃、アーチェリーでも混合種目ができた。

◆卓球 メダリストコンビ 水谷&美誠

 卓球では、2016年リオデジャネイロ五輪女子団体で、最年少の15歳300日で銅メダリストになった伊藤美誠(19)=スターツ=と、同五輪団体銀、シングルス銅の水谷隼(30)=木下グループ=がペアを組む。
 水谷は代表選出時に自身のツイッターで「自分を選んだこと後悔させません。(自身は)ロンドン、リオと団体戦無敗なので、そのまま東京でも全勝して自ら引退の花道を飾ります」と金メダル宣言。
 この“みまじゅん”ペアは、昨年末のワールドツアーグランドファイナルで準優勝を果たしたほか、1月のドイツオープンでも銀メダルを獲得した。

◆競泳 どの泳法にどの選手を任すかが勝負のカギ

 競泳の400メートルメドレーリレーでは、男女2人ずつが背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の順で泳ぐ。どの泳法にどの選手を配置するかは各国の判断に任されており、ここが勝負の見どころだ。出場枠16のうち、すでに12が決定済み。日本は昨夏の世界選手権で五輪切符を逃した。しかし、5月末までの国際大会の成績による混合リレーの世界ランキングで、出場決定国を除く上位4位までに入れば、出場権を獲得できる。

◆バドミントン リオ五輪以前からの混合種目

 バドミントンでは1996年アトランタ五輪から混合ダブルスを採用。世界ランキング4位、渡辺勇大(22)、東野有紗(23)=ともに日本ユニシス=組は東京五輪でのメダルが期待される。テニスも2012年ロンドン五輪から混合ダブルスを採用。セーリングでは08年北京までの3大会で、男女オープンの3種目を実施。ロンドン五輪では全種目が男女別となったが、16年リオ五輪で混合種目のナクラ17級が初めて実施された。五輪競技の中で、馬術は唯一、男女の区別がない。

◆トライアスロン 男女が協力し勝利目指すのが魅力

 トライアスロンの混合リレーは、女子→男子→女子→男子の順番と決まっている。個人戦では男女とも、スイム1・5キロ、バイク40キロ、ラン10キロで争うが、東京五輪の混合リレーでは、いずれも1人当たりスイム300メートル、バイク7・4キロ、ラン2キロ。18年アジア大会優勝メンバーで、昨年8月の東京五輪テストイベントに出場した高橋侑子(28)=富士通=は「(男女)みんなで力を合わせてやるところではすごく面白い競技だと思う。短い距離でいろんな力を試される、また違った競技として、いろんな可能性がある」と話す。
 性質が異なる男女が協力して勝利を目指すのが混合種目の魅力。東京五輪の目玉になることは間違いなしだ。

◆柔道 金メダル候補筆頭

 金メダル候補の筆頭は柔道だろう。混合種目は男女各3人の計6人でチームを構成する。男子は73キロ、90キロ、90キロ超、女子は57キロ、70キロ、70キロ超の階級で争う。どちらかが4勝して勝敗が決した時点で終了。3-3で並んだ場合は、無作為に選ばれた階級の選手同士による代表戦が行われる。柔道の世界選手権では2017年から混合団体が実施されている。
 昨年9月の世界選手権(東京)で行われた混合団体決勝で、日本はフランスを4-2で下して3連覇を飾った。男女が円陣を組んで気合を入れたり、並んで応援を送ったりした初めての混合団体戦。男子73キロ級との2冠を達成した大野将平(28)=旭化成=は「個人戦と違うプレッシャーや面白さがあり、怖さも感じた」と振り返っている。

◆セーリング 大学先輩後輩タッグで挑戦!!

 前回五輪からセーリング競技で採用された混合種目のナクラ17級で、東京五輪の代表内定を2月の世界選手権で決めた飯束潮吹(いいつか・しぶき、31)、畑山絵里(27)=エス・ピー・ネットワーク=組は、日本経済大時代の先輩・後輩の間柄。
 畑山は「男女でやるメリットですか? 難しい質問ですね。海外選手は、けっこう(ペアが)くっついたり別れたり、別れたりくっついたりしているので、いろいろあるんだなと思う」と、他国のペアには、まるで恋人関係があるような口ぶりで苦笑いした。
 ナクラ17級とは、ナクラ社製の17フィート(全長5・25メートル)の双胴艇で2人乗り。「空飛ぶヨット」の別名もある時速50キロの高速で帆走する艇種だ。

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