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懸命のリハビリもかなわず… 71歳、志賀廣太郎さん力尽く

2020年5月1日 02時00分

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テレビ東京系ドラマ「三匹のおっさん」に出演する志賀廣太郎さん((c)有川浩/講談社(c)テレビ東京/ホリプロ)

テレビ東京系ドラマ「三匹のおっさん」に出演する志賀廣太郎さん((c)有川浩/講談社(c)テレビ東京/ホリプロ)

 低く響く独特の声色で知られ、映画やドラマで名脇役として活躍した俳優の志賀廣太郎(しが・こうたろう)さんが、20日午後8時20分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため川崎市内の介護施設で死去した。71歳。兵庫県出身。昨年4月に脳梗塞で倒れ、介護施設でリハビリに励んでいた。所属事務所によると、遺族の意向により29日に近親者のみで葬儀・告別式を執り行った。喪主は弟健二郎(けんじろう)さん。後日、お別れの会を開く。
 志賀さんは昨年4月6日、仕事の電話に出ないことを不審に思った事務所関係者が自宅を訪れ、室内で倒れているのを発見された。その時すでに右半身が動かず、救急搬送され脳梗塞と診断された。テレビ東京系ドラマ「きのう何食べた?」の撮影中で、5日間のオフが取れたため自宅で休養していたという。同月に同ドラマの降板を発表した。
 同6月に退院したが、独り身のため自宅に戻らず、川崎市内の介護施設に入所し、右半身不随と失語症の症状を治すためリハビリに取り組んでいた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年2月末からはリハビリを休み、理学療法士らとの接触を避けていたという。
 事務所関係者が2月末に介護施設を訪れ、本人と面会した時は、右半身のまひが続いていたものの言語障害は回復しつつあった。志賀さんは「映像作品は難しいが、ナレーションや朗読の仕事は今年中に再開できれば」と復帰に向けて意欲的だったという。
 事務所は公式サイトで「2019年春に脳梗塞で倒れて以降、復帰に向けてリハビリを続けてまいりましたが、かないませんでした。ここに生前のご厚誼(こうぎ)を深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます」と説明した。
 お別れの会などの実施については「新型コロナウイルスに関連する一連の状況を見極めながら、ご遺族や所属劇団の青年団と相談の上開催させていただく予定でおります」と記した。
 志賀さんは1978年から、母校の桐朋学園芸術短期大学で非常勤講師を務め、学生に演劇を教えていた。90年に平田オリザさんが主宰する劇団青年団に入り、舞台俳優として活躍。50代になると映像の世界にも活躍の場を広げた。主な出演ドラマにテレビ東京系「三匹のおっさん」、NHK連続テレビ小説「マッサン」、NHK「トットてれび」、TBS系「陸王」、フジテレビ系「アンフェア」など。映画は「ワンダフルライフ」(99年)、「ハゲタカ」(2009年)、「謎解きはディナーのあとで」(13年)など多数。
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