いよいよ『麒麟がくる』最終回がくる…長谷川博己「これまでにない新しい」本能寺の変になる【大河ドラマ】

　NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜午後8時)が7日、いよいよ最終回「本能寺の変」を迎える。主人公の明智光秀を演じた俳優の長谷川博己(43)が放送を前に見どころを語り、困難を極めた撮影を振り返った。

　「光秀さんが般若の表情に変わった!?」「半沢直樹の千倍返しを超えた!」。1月31日に放送された前回のラストシーン。染谷将太(28)演じる織田信長からパワハラまがいの理不尽な叱責を受けた長谷川の鬼気迫る演技に、ネット上には興奮した視聴者の声があふれた。

　「結末は分かっていても見たい」などと盛り上がりをみせる中で迎えた最終回。長谷川も「新しい明智光秀を描いてきましたが、『本能寺の変』もこれまでにない新しいものになる。なぜ、光秀は『本能寺の変』に至ったのか。見てくださる皆さまに、その心の機微を感じ取っていただけたらうれしい」とアピールした。

　「麒麟がくる」をめぐっては主要キャストの不祥事による配役変更・撮り直しや、新型コロナウイルス拡大による撮影中断など数々の困難に直面。大河史上初の越年放送を経て予定通り全44回の放送にこぎつけた。

　長谷川も「撮影中断は、光秀を演じる上でひとつの転換点になったのかもしれません。私は、ドラマは視聴者のみなさんにどこかでその作品の『現代性』を感じていただきたいと思っています。撮影現場での緊張感や張り詰めた空気が、役にも作品にも結果的にいろいろな意味での影響を及ぼしたのではないか」と推察した。

　光秀と信長の友情を描いた新機軸で、謎が多く裏切り者のネガティブなイメージを一変させた本作。長谷川も「明智光秀は、孔子の言う『義』の人であったと思います。それは光秀を演じる上で、最後まで一貫して崩してはならないと思っておりました。世のため、民のため、平らかな世を目指し貫き通した男だと思います」とコメント。信長についても「承認欲求への激しさや両親や兄弟との確執など、どこか人間臭さがあります。人間の持つ負の要素に共感しやすいと思えました。そういう意味でも、どこか現代人に通じるものがある」と共感を呼ぶ背景を分析した。

　多彩な共演陣もドラマを盛り上げ、長谷川は「実に多種多様な演じ方があるなと、多くのものを吸収させていただきました。いわば明智光秀は、さまざまなキャラクターから刺激を受けて作られていった集合体だった」と感謝した。