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私のドラムで「聴いてスカッと」日本を代表する23歳女性ドラマー・川口千里、渾身のアルバムリリース

2020年12月7日 05時00分

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オールジャンルのドラマーを目指す川口千里

オールジャンルのドラマーを目指す川口千里

 日本を代表する女性ドラマー、川口千里(23)が、4年ぶりのリーダーアルバム「Dynamogenic(ダイナモジェニック)」を23日に出す。少女時代から国際的にも注目されてきたが、学業との二足のわらじから卒業して初めての作品。渾身(こんしん)の9曲が詰まった一枚は、「今の私の名刺代わりになる」という自信作だ。コロナ禍を耐えて、世界に羽ばたく時を待つ。
 「まだ自信もないし」と尻込みしていたが、スタッフから背中を押される形で構想がスタートした。そういえば、4年近くも組んでいるバンドメンバーとレコーディングしたことがない。「電子音を入れずに、バンドサウンドを中心に勝負しよう」と菰口雄矢(ギター)、安部潤(キーボード)、櫻井哲夫(ベース)にオリジナル曲を依頼し、自らも3曲を書き上げた。
 レジェンド、ホワイト・スネイクばりにハードな「Raging Spur」、ぜひやりたかったというベースとのデュオ「Who Would've Known」、バンドのグルーブ感が心地よい「Mulher Linda」などバラエティーに富んでいる。スタジオでそれぞれの演奏を聴きながら、曲調を整える作業が刺激的だった。
 かつてはチャーミングな見た目と抜群のテクニックとのギャップもあって“天才ドラマー"“手数姫"などと形容された時期もあったが、プレッシャーから解放され、「気負いなくバッチリの完成度」と胸を張る一作に仕上がった。ライブで成長、熟成させる楽しみもふくらむ。来年1月に、約1年ぶりのライブが決まった。
 「聴いてスカッとしてもらうのが自分の長所。一聴して、これが川口千里のドラミング」と分かる音を目指して、「精進したい」と気を引き締める。
 トップベーシストの一人、トム・ケネディとの共演が夢。そして世界ツアーへのあこがれも。
 コロナ禍はそれほど苦にならなかったという。毎日ドラムをたたいて、三食しっかりとる健康的な生活。ユーチューブで好きなドラマーの研究をしたり、ゴロゴロしながら読書して、アルバム制作にたどり着き、「十分意味ある1年になった」。
 ドラムはたたいても二の腕に筋肉がつかないので、運動不足解消におすすめとか。手足で別の動きをするので、「間違いなく脳トレにもなります」と笑顔を見せた。(本庄雅之)
◆ツアー日程 来年1月13日ビルボードライブ横浜、16日ブルースアレイジャパン(東京)、18日ビルボードライブ大阪、19日ボトムライン名古屋
◇川口千里(かわぐち・せんり) 1997(平成9)年1月8日愛知県日進市生まれ、三重県四日市市育ち。父親が買った電子ドラムを、おもちゃのように演奏し始め、8歳から菅沼孝三に師事。07年に専門誌のコンテストで準グランプリ。10年に世界のトップドラマー500人の一人に選ばれた。アジア人では神保彰に次いで二人目。13年初アルバム発表。高校時代に各地でライブ活動を本格化。14年にE―girlsのツアーに参加。16年、キングレコードからメジャーデビュー。早稲田大学社会科学部卒。153センチ。

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