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【石川】国勢調査員 顔写真なし 小松で数人 貼らず訪問

2020年9月24日 05時00分 (9月24日 11時25分更新)
顔写真の貼り付け欄がある国勢調査員証(悪用防止のため一部を加工してあります)

顔写真の貼り付け欄がある国勢調査員証(悪用防止のため一部を加工してあります)

市民「詐欺かと」 総務省「不適切」


 十四日から始まった国勢調査の調査員が身に着けるよう定められている顔写真付きの調査員証について、石川県小松市の一部の調査員が顔写真のない調査員証を使っていたことが市などへの取材で分かった。総務省統計局の担当者は「顔写真のない調査員証の使用は不適切。事例が相次ぐなら対応を検討する」と説明している。(長屋文太)
 調査員証は、国勢調査を装った詐欺や不審な調査と見分けるために総務省が重視。ガイドラインで、顔写真付きの調査員証を義務付けている。
 市は、調査員四百六十三人のうち、顔写真のない調査員証を使っていたのは数人と明かした。調査員証は八月下旬、市役所に受け取りに来た調査員に渡した。顔写真の事前送付を求めていたが、締め切りまでに用意しなかった調査員約四十人には、各自で顔写真を貼るよう求めた。二十二日に市民の指摘があり、顔写真を貼っていない調査員がいることが分かった。
 市は五年前の前回の国勢調査では、調査員を集めた説明会を開き、会場で写真撮影して、写真付きの調査員証を渡していた。だが、今回は新型コロナウイルス感染対策で、説明内容をまとめたDVDを渡すだけにし、写真撮影は中止した。
 顔写真がない調査員証を持った調査員の訪問を受けた市内の男性(70)は「顔写真がないと本人かどうか分からない。詐欺ではないかと疑った」と話す。調査員が同じ町内に住む人だと分かったため、最終的には調査に応じたという。
 総務省統計局の担当者は、小松市の調査員証の渡し方について「写真を貼り付けた上で渡すのが原則。だがコロナ感染拡大を防ぐために間違った方法ではない」と容認する。ただ、市には対策を徹底するよう調査員への周知を求めた。
 市は、顔写真を貼っていなかった調査員に写真添付を指導。顔写真を貼った調査員証を見せてもらい、業務を再開させている。市の担当者は「調査員には写真を貼ってもらえると思っていた。対策を徹底すべきだった」と話している。

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