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舘山寺聖観世音菩薩 温泉街繁栄見守る

2020年8月23日 05時00分 (8月23日 05時02分更新)

舘山の山頂から、温泉街を見守る舘山寺聖観世音菩薩=浜松市西区の舘山寺で

 八月中旬、じりじりと照り付ける日差しを受けながら、舘山寺参道を登って五分ほど。木々に覆われた舘山(たてやま)の山頂から、舘山寺聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)がヒョッコリと顔を出す。二〇一五年には、安倍首相に似ていると写真週刊誌が取り上げ、話題にもなった。
 「舘山寺大観音」と呼ばれる観音像は、浜松市西区の舘山寺温泉街の北側、標高約五十メートルの舘山に建立された。一九三五(昭和十)年、浜名湖の安全祈願のため建てられた高さ約十六メートルの観音像は当時最大級だった。
 舘山寺周辺は、戦前から浜名湖の往来の要所だったことから、料理店や旅館などが並ぶ。五〇年に浜名湖が県立自然公園に指定され、観光地として開発が進んだ。五八年に開湯し、六四年の東京五輪の時は、周辺の道路は大渋滞になるほど、にぎわいを見せた。温泉旅館の浴衣で参拝する姿が多く見られ、県西部の有名な温泉街として多くの人に知られた。
 舘山寺の住職舘賢聖(たちけんせい)さん(53)は「新型コロナウイルスの影響で、参拝者も例年の三割ほどに落ち込んでいる。この地域の繁栄を見守ってきた観音様にはコロナ禍で落ち込む温泉街が元気になるよう見守ってほしい」と話していた。
  写真、文・斉藤直純
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