広島県が大和ハウス工業に一部を売却する県営広島西飛行場跡地(広島市西区)

 広島県は、県営広島西飛行場跡地(広島市西区)のうち7・9ヘクタールを売る仮契約を、現地で産業団地の整備を進めている大和ハウス工業(大阪市)と結んだ。売却額は33億9600万円で、関連議案を15日に開会する県議会定例会に提出する。可決されれば、同社が2022年春の分譲開始に向けて造成を進める。

 仮契約は1月15日付。大和ハウス工業は、県と広島市が活用方針で「新たな産業(雇用)ゾーン」(17・4ヘクタール)と位置付けた西飛行場跡地の中央部のうち、北側の9・5ヘクタールを19年3月に取得しており、今回買うのはその南隣となる。

 同社は一帯で、産業団地「広島イノベーション・テクノ・ポート」の整備を進めている。南側では「企業の研究所や物流拠点、工場などの誘致を目指す」としている。北側では中四国地方で最大級となる賃貸型の物流施設「DPL広島観音」を建設中で、他の区画は企業に分譲している。

 県によると南側については、北側の分譲状況の好調さなどを踏まえて、大和ハウス工業から早期に購入したいとの要望があったという。今回の売却で、16年12月にまとめた活用方針で定めた4ゾーンのうち、「新たな産業(雇用)ゾーン」は全て用途が決まる。

 ほかの3ゾーンのうち、広島ヘリポートがある北端の「広域防災ゾーン」(17・6ヘクタール)を除く2ゾーンが再開発の対象となる。中央部の「スポーツ・レクリエーションゾーン」(約7ヘクタール)では、市が23年度に少年野球やサッカー用のグラウンドを造る。南端の「新たな産業(にぎわい)ゾーン」(3・6ヘクタール)は唯一、活用策が決まっていない。(樋口浩二)