第1回の共通一次開催は朝刊1面トップの大ニュース(1979年1月13日付)
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 毎年1月は大学受験生にとって、本番がスタートする大事な時期です。2024年の大学入学共通テストは1月13、14日の実施です。「大学受験生が一斉に全国で同じ試験を受ける」システムは、1979(昭和54)年の「国公立大学共通一次試験」から始まりました。その後、1990(平成2)年に私立大も参加する「大学入試センター試験」に衣替えし、2021(令和3)年から現行方式になっています。今回の「資料室発」では「共通一次」「センター」「共テ」と続く一斉入試の歴史について、中国新聞の過去の紙面などを探ります。

大学共通第一次学力試験(共通一次)>

 まずは「国公立大 きょうから共通一次試験/全国で34万人挑む/高等教育正常化の試金石」(1979年1月13日付)です。堂々の朝刊1面トップで「空前の一斉入試」そのものがニュースになっています。

 共通一次が始まった背景について「戦後は昭和22年から29年まで続いた進学適性検査、さらに38~43年の能研テストがあるが、いずれも負担増や序列化、格差拡大につながるとの批判を受けて失敗」し、「高等教育のゆがみが社会問題化するなかで、(昭和)43、44年には大学、高校の学園紛争が続発、入試制度の在り方が厳しく問われた」と紹介。「約9年間の調査研究や試行テストを経て(中略)新入試制度実施の運びとなった」ようです。

 それ以前の国立大は一期校、二期校という制度で、複数の国立大の受験が可能でした。共通一次の導入で、国公立大120大学の志願者全員が同じ5教科を受験し、国立大の受験を1校に絞る制度が始まったのです。

 共通一次が様変わりしたのが1987(昭和62)年です。1979年の当初から続いていた「国立大受験は1校」の原則が変わり、2校以上受験できる制度になりました。全国の国立大がAグループ、Bグループの二つの日程に分かれ、それぞれから1校ずつ受験することを想定した新制度でした。

 ところが、国立大複数受験の初年度は裏技が飛び出します。「広島大と山口大/学部掛け持ち受験できます」(1987年1月10日付)に詳しく出ています。国立大の受験は、