企業の進出などが相次ぐ広島西飛行場跡地

 かつて「空の玄関口」だった広島市西区観音新町の広島県営広島西飛行場跡地で、産業集積が進んでいる。跡地中央部に産業団地が完成し、北側エリア(98ヘクタール)は1月までに全6施設が稼働した。南側エリア(79ヘクタール)でも事業所や物流拠点の建設が進む。跡地北部のヘリポートは遊覧飛行が人気を集める。一帯に新たな活力や雇用が生まれつつある。

 産業団地北側にできた自動車部品など製造のモルテンの本社兼開発拠点。昨秋に西区横川新町などから移り、経営管理部署と自動車部品など3事業部の開発者の計約200人が働く。

 事業部の垣根を越えた開発を進める試作室も設けた。スポーツ用品を開発する藤川伸矢係長は「他事業部とのコミュニケーションが増えた」。医療福祉器具の天野恵太品質開発部長は「技術やノウハウを持ち寄り新製品を作りたい」と語る。

 産業団地は大和ハウス工業(大阪市)が「広島イノベーション・テクノ・ポート」と名付け、北側は2020年春、南側は22年春に造成した。北側ではモルテンに続き、今年1月に大和物流(大阪市)の物流施設も営業を始め、全6区画が全面稼働した。

 南側も11区画のうち6区画で進出企業が決まった。