事あるごとに北朝鮮が指令を下して、韓国で忠実に実行されていただなんて【9月6日付社説】

 福島原発汚染水の海洋放出を巡って北朝鮮が韓国国内の一部勢力や地下組織などに対し「反対闘争を持続的に行え」という緊急の指令を下していた。韓国の情報機関である国家情報院が明らかにした。北朝鮮は日本大使館や光化門広場周辺などデモを行う場所も具体的に指示していたという。その後も進歩大学生ネット所属の大学生などが先月24日、駐韓日本大使館の入るビルに侵入し、突然の抗議活動を行った。全国民主労働組合総連盟(民主労総)や左翼系の団体も韓国野党・共に民主党と協力しながら、光化門交差点や世宗大路周辺で汚染水放出に反対する集会を開催した。

【写真】路上に座り込んで汚染水海洋投棄中断を訴える共に民主・李在明代表と参加者たち

 昨年のハロウィーン惨事の時も北朝鮮は民主労総幹部らに対し「市民団体と連携し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権退陣と弾劾の雰囲気を造成せよ」「署名運動、キャンドル集会、追悼文化祭などを行え」などの指示を下していた。「これが国か」「国民が死んでいく」「退陣が追悼だ」など具体的なスローガンも指示し、実際にハロウィーン追悼集会の横断幕にはこれらの文言がそのまま記載されていた。国政調査を求める署名運動、キャンドル集会、追悼集会も指示通りに行われた。当時北朝鮮は「怒りの噴出に向けた組織事業」という指針も下していたが、これを受け民主労総は直ちにゼネスト闘争大会を開催した。

 北朝鮮は昨年の貨物連帯ストの時も「全ての統一・愛国勢力が連携せよ」と指示を下した。大宇造船海洋下請け労組による長期ストでは慶尚南道昌原の「自主統一民衆前衛」が北朝鮮の方針に従って民主労総に影響力を行使しようとした可能性も浮上している。当時民主労総や左翼団体などは「国家情報院によるスパイ団捜査は公安弾圧だ」と強く非難したが、その時も北朝鮮は「公安弾圧の形に持っていけ」と指示していた。スパイ容疑で身柄を拘束された忠清北道同志会は2019年から米軍戦闘機F35Aの導入に反対するリレーデモ、署名運動、糾弾会見などを立て続けに行った。これも調べてみれば彼らは北朝鮮の指示を受けており、必要な資金援助も北朝鮮から受けていたのだ。

 何かが起これば北朝鮮が指令を下し、それが韓国社会でそのまま実行に移されるパターンが繰り返されている。一部の左翼団体は名称を次々と変えながら狂牛病デモ、済州海軍基地反対デモ、セウォル号集会、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)反対運動、汚染水反対集会などの先頭に立ってきた。これらの背後にも北朝鮮があったのではと疑わざるを得ない。

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  • ▲ソウル光化門近くのプレスセンター前で開催された「福島汚染水放出反対汎(はん)国民大会」でスローガンを叫ぶデモ隊。2023年8月26日午後撮影。/聯合ニュース

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