おうちでしぜんかんさつ

 No.001 2020/04/25(土)

ツツジの花を観察しよう

4月から5月はツツジの花の季節。散歩がてらにツツジの花を観察しよう。(ツツジには、いくつか種類がありますが、大きめの花が咲くオオムラサキ等が見やすくておすすめです。)

オオムラサキの花


ツツジの花は上下を知っている?

花の中にあるヒョウ柄のようなもよう

ツツジの花ビラは本の方はくっついていて、ロート状になっていますが、先の方は5枚にさけています。その1枚には、ヒョウ柄のような斑点があり、それが常に上になるように咲きます。ツツジのつぼみはまっすぐ上を向いていますが、花は横向きに咲きます。つぼみの時からどっちが上か知っているようです。


つぼみはゴキブリ◯イ◯イ??

べとべとしたつぼみにくっついてしまった虫

まだつぼみが多かったら、つぼみをよく見てみよう。ツツジのつぼみは、はじめは茶色の皮に包まれています。この皮はたいてい、べとべとしています。よく探すと、写真のように虫がくっついて、動けなくなっているところが見つかるかもしれません。本当は何のために、つぼみがべとべとしているのかはわかりませんが、花を虫から守ることには、役に立っているみたいです。


おしべに目?

ツツジのおしべ

花が咲いていたら、咲いている花をよく見てみよう。真ん中にある太くて長いのは、めしべで、まわりを短いおしべが取り囲んでいます。ツツジのおしべの先には、2つの目のような穴があります。実は、この2つの穴から花粉が出るのです。よく探すと、穴から花粉の出ているおしべが見つかるかもしれません。


糸引く花粉

糸をひく花粉

黄色い花粉の出ているおしべを見つけたら、そっと花粉にさわってみよう。ゆっくり引くとずるずると、花粉が納豆のように引きずりだされてきます。おしべに触れた虫の体にまとわりつくためでしょうか、ツツジの花粉にはお互いにからまりあうとても細い糸があります。


残る葉、落ちる葉

4月のツツジの葉のようす
12月のツツジの葉のようす

上の写真は4月に、下の写真は12月に撮ったツツジです。どちらも緑の葉の下に、これから枯れ落ちる黄色くなった葉や痛んだ葉が見えます。すべてではありませんが、ツツジの中には、2種類の葉をつけるものがあります。春に開いて、秋に落ちる春葉と、夏に開いて、翌年の春に落ちる夏葉です。上の写真では、枝の上のほうに春葉が開いていて、越冬した夏葉が落ちようとしています。下の写真では、越冬中の夏葉の下に、黄色く紅葉して落ちようとしている春葉が見えています。このように落葉する時期の違う2種類の葉をつける変わった性質があります。

(生態学・環境研究科 由良浩)