治験とは?

臨床試験と治験について

臨床試験と治験 私たちは医学の発達のおかげで、病気になると医師の診察を受け、処方される薬で病気を治療することができます。

薬はどのようにして生まれてくるのでしょうか。また、「新薬」「治験」にはどのような関係があるのでしょうか?

新しい薬を開発するためには、「薬の候補物質」について動物で効果や毒性を調べるだけでなく、人への効き目(有効性)や副作用(安全性)を確認する必要があります。

人への有効性や安全性について調べる試験を「臨床試験」と呼びます。また厚生労働省から「薬」として承認を受けるために行う臨床試験のことを「治験」と呼びます。

GCPと治験の進め方

「治験」は厚生労働省が定めた基準に従って行われます。この医薬品の臨床試験の実施の基準を「GCP」と呼びます。
治験を行う医師や臨床施設が患者さんに「治験」について十分ご説明し、患者さんがその内容をよく理解された上でご本人の自らの考え(判断)により 「治験」に参加することに同意(インフォームド・コンセント)していただきます。また参加していただいた患者さんの人権及び安全は最大限に尊重され、秘密は守られます。

「薬の候補物質」は、最初に動物で効果や毒性についての試験(「非臨床試験」)を実施し、その効果と毒性の程度を確認してから、「治験」に進みます。
治験では下記の3つの段階(相またはフェーズと呼ばれます。)があり、順番に各段階での安全性や有効性を確認しながら開発を進めます。

治験の3つの段階

新薬の誕生

このⅠ相試験からⅢ相試験までが完了するのに大体3〜7年ほどかかります。その後、厚生労働省による承認審査を受け製造・販売許可が出た物だけが「新薬」として世に出て来ます。

ただし製品化されてもなお、発売されてから4〜10年間の間に少なくとも約10,000件のデータを集め、再び厚生労働省の再審査を受けることが必要となります。これが第Ⅳ相試験です。

こうして薬ができるまでには非常に長い年月(長いもので15年以上)を必要とし、実際には薬の候補物質のうちわずかなものだけがが新薬として世の中に出てくるのです。
どんなに効果が期待できる候補物質であっても、上記のプロセスを経なければ決して薬として使用されることはありません。

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