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概要  |  環境基準との比較 : H18 | H17 | H16 | H15

測定について

公開する項目について

窒素酸化物(NOx) | 浮遊粒子状物質(SPM) | 環境基準 | 環境基準の評価 | 98%値 | 2%除外値

 静岡国道事務所管内の大気常時観測局では、大気汚染物質のうち、環境基準が設定されている二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)について、平成15年度より測定を行い、平成20年度現在、管内6局の測定結果を公表しています。


窒素酸化物(NOx)とは?

 窒素酸化物は、物が高温・高圧で燃えるときに発生する窒素(N2)と酸素(O2)の化合物で、窒素原子と酸素原子が1つずつ結びついた一酸化窒素(NO)と、窒素原子1つに酸素原子2つが結びついた二酸化窒素(NO2)の形で存在しています。
 窒素酸化物は、工場、自動車、家庭など、さまざまな場所で発生します。 これらの発生源からは、大部分が一酸化窒素として排出されますが、大気中の酸素と反応し、二酸化窒素になります。

高濃度の二酸化窒素は、肺や気管支などに影響を及ぼすほか、酸性雨(※1)や光化学スモッグ(※2)の原因物質になると言われています。

窒素酸化物とは


※1:大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んでいて酸性度の強い雨。動植物等に被害を与えるもの。
※2:太陽からの紫外線などによる光化学反応で、大気中のオキシダントなどの濃度が高まって発生するスモッグ。人体や動植物に有害である。

 二酸化窒素は、夏は地表面の温度が高いため、上昇気流が発生し、大気が拡散されるため濃度が低くなります。冬は地表面の温度が低いため、上昇気流が発生しにくくなり、大気が安定した状態(拡散されにくい状態)になるため、濃度が高くなる傾向があります。

窒素酸化物の拡散夏
窒素酸化物の拡散時の例(夏季)

窒素酸化物の滞留冬
窒素酸化物の滞留時の例(冬季)

浮遊粒子状物質(SPM)とは?

 空気中に舞っているチリ(浮遊粉じん)のうち、大きさが10μm以下の粒子状のものをいいます。10μm以下という大きさは、人の髪の毛の太さ(0.07~0.10mm)の1/10程度、スギ花粉の直径(30~35μm)の1/3程度です。
 浮遊粒子状物質の濃度が高いと肺や気管支などに沈着して呼吸器に影響を及ぼすといわれています。
 浮遊粒子状物質は、ボイラーや自動車の排出ガス等、燃焼時に発生するススのほか、自然状態でも海水の飛沫や中国大陸からの黄砂によるものがあり、これらを“一次生成粒子”と呼んでいます。このほか、窒素酸化物などのガス状の物質が、太陽光により光化学反応を起こして粒子物質に変化することがあり、これを“二次生成粒子”と呼んでいます。
 浮遊粒子状物質は、夏は強い太陽の光によって光化学反応が促進されるため、二次生成粒子の発生が多くなり、冬よりも濃度が高くなる傾向があります。

10μmとは
浮遊粒子状物質の大きさの比較

浮遊粒子のでき方夏
浮遊粒子状物質のでき方の例(夏季)

浮遊粒子のでき方冬
浮遊粒子状物質のでき方の例(冬季)

【環境基準】

二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準は以下の示すとおりです。

二酸化窒素(NO2):1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。


二酸化窒素濃度と環境基準との関係
二酸化窒素濃度と環境基準との関係


浮遊粒子状物質(SPM):1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ1時間値が0.20mg/m3以下であること。

浮遊粒子状物質濃度と環境基準との関係
浮遊粒子状物質濃度と環境基準との関係


【環境基準の評価】

 二酸化窒素(NO2)・浮遊粒子状物質(SPM)の測定値が環境基準に適合しているかどうかの評価方法は、以下に示すとおりです。
 環境基準の長期的評価は、1年間で得られた日平均値から作成した累積頻度分布の98%値*1(あるいは2%除外値*2)が基準値を超えたかどうかで適否を判断しています。なお、SPMについてはこの条件に加えて、日平均値が2日以上連続して環境基準値を超えてはならないこととなっています。
 また、SPMには短期的評価も設定されており、測定を行った日の1時間値の日平均値や個々の1時間値が基準値を超えたかどうかで適否を判定します。

二酸化窒素(NO2)
98%値評価注1)
(長期的評価)
1年間で得られたすべての日平均値から算出された日平均値の年間98%値が、0.04~0.06ppmのゾーン内、またはそれ以下であること。
短期的評価 二酸化窒素では短期的評価は設定されていません。

注1)二酸化窒素の98%値評価を長期的評価ということもあります。



浮遊粒子状物質(SPM)
長期的評価 1年間で得られたすべての日平均値から算出された日平均値の2%除外値が、日平均値の環境基準値以下であること、かつ、日平均値が環境基準値を超えた日が2日以上連続しないこと。
短期的評価注2) 1時間値の1日平均値が0.10 mg/m3以下であり、かつ1時間値が0.20 mg/m3以下であること。

注2)測定を行った日の1時間値の1日平均値と1時間値がそれぞれ環境基準を超えたかどうかで環境基準の適否を判断します。



*1:【98%値】の説明をご参照ください。
*2:【2%除外値】の説明をご参照ください。

【98%値】

二酸化窒素(NO2)の評価に必要な「98%値」の算出方法は以下のとおりです。
  1. 1時間ごとのNO2の測定値からその日1日の平均値を求めます
  2. 左の図のように、1年分並べます(欠測等がなければ365日分になります)。
  3. 右の図のように、値が低い順に並べなおします。
  4. 低い値から数えて358番(98%)目を98%値とします。

98%値の算出方法の例 (二酸化窒素(NO2)
98%値の算出方法の例 (二酸化窒素(NO2)

※この例の場合、358番目にあたる「0.059ppm」が98%値となります。
※「0.059ppm」は環境基準で定められた「0.04~0.06ppmのゾーン内、またはそれ以下」にあたるので、達成 となります。

【2%除外値】

浮遊粒子状物質(SPM)の評価に必要な「2%除外値」の算出方法は以下のとおりです。
  1. 1時間ごとのSPMの測定値からその日1日の平均値を求めます。
  2. 左の図のように、1年分並べます(欠測等がなければ365日分になります)。
  3. 中央の図のように、値が高い順に並べなおします。
  4. 高い値から数えて7番(2%)目までを除外し、8番目を2%除外値とします。

2%除外値の算出方法と長期的評価の例(浮遊粒子状物質)
2%除外値の算出方法と長期的評価の例(浮遊粒子状物質)

※この例の場合、8番目にあたる「0.080mg/m3」が2%除外値となります。
「0.080 mg/m3」は、環境基準で定められた「0.10 mg/m3以下」にあたるので 達成 となります。
※ なお、浮遊粒子状物質(SPM)は「2%除外値が基準値を超過したか否か」と「2日以上連続して日平均値が基準値を超過したことがあるか否か」の二つの条件により長期的評価を行います。
そのため右の図の7月11日と12日のように、2日以上連続して基準値を超過した場合は、2%除外値が基準値に適合していても 非達成 となります。



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静岡国道事務所 管理第一課