複数の「借金返済」に、効果的かつ効率的な2つの対処法——雪だるま式と雪崩式

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どちらの戦略でも重要なのは、一度にひとつずつ借金を選び、優先的に返済していくことだ。

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  • 「雪だるま式」と「雪崩式」は、借金返済でよく使われる2つの方法だ。
  • 雪だるま式では、まず最も残高の少ない借金を返済する。少額だが、すぐに目に見えて成果を実感できる。
  • 雪崩式は高金利の借金を優先して返済するため、長期的なコスト削減に最も効果的だ。

複数の借金を返すのは困難かもしれない。戦略を立て、それを続けることが借金返済の鍵を握る。

一般的な2つの借金返済方法が、雪だるま式と雪崩式だ。どちらも複数の借金を返済するのに効果的かつ効率的な対処法である。両者の違いはどの借金返済を優先するか、だ。これら2つの借金返済方法について知っておくべきことと、自分の資産状況に合っている方法を決める方法を説明しよう。

雪だるま式 vs. 雪崩式:概要

雪だるま式も雪崩式も、借入残高を減らし、借金地獄から脱出するのに役立つ。だが、この2つの方法は少し違うため、状況によってどちらがより早く手頃に借金を返済できるかが変わる。

雪だるま式:この方法では、まず最も残高の小さい借金の返済に注力する。それを返し終わったら、次に残高の小さいものに着手し、すべての借金を返済するまでこれを繰り返す。

雪崩式:この方法では、金利が一番高い借金を返済する。それを返したら、次に金利の高い借金の返済に注力する。

ポイント:どちらの方法でも、他の借金に対して最低限の支払いは続ける。余剰現金を、雪だるま式では残高の最も小さい借金、雪崩式では金利が最も高い借金の返済に充てる。

雪だるま式借金返済法とは何か?

雪だるま式では、最も残高の小さい借金の返済を優先する。すべての借金に対して最低限の支払いを行ったら、残っている資金をまず残高が一番小さい借金の返済に振り向ける。その支払いが終わったら、(その資金を自由に使えるようになるので)次に残高の小さい借金返済に注力する。負債を全額返済するまでこのサイクルを繰り返すのだ。丘を転げ落ちるにつれて、雪玉が徐々に大きくなり、勢いづいていく雪だるまに似ていることからこの名前が付いた。

「雪だるま式は、最も残高が小さい借金から大きいものへと負債を並べて、その順に一度に一つの借金を全額返済することに集中する」とスタッシュ(Stash)のファイナンス・アドバイス部門ディレクターでCFPTMのローレン・アナスタシオ氏は言う。その他の借金には最低金額だけを支払い、余剰資金を残高が最も小さい借金の返済に充てることで、その借金を早く完済して毎月の支払先を減らす。

雪だるま式は、高金利負債に先に着手する雪崩式よりも利払額全体は多くなるものの、一般的に借金返済に対する「行動面」の誘因が高まると、グランド・アーバー・アドバイザーズ(Grand Arbor Advisors)のオーナーのデヴィッドW.バーネット氏は言う。

バーネット氏曰く、パーソナルファイナンスにはコストと行動の両方が関係する。雪だるま式はコスト面ではあまり効果的ではないかもしれないが、一つの借金を完済して返済先の数を減らすと達成感を感じられるため、行動面で非常に価値がある。

一般的に、毎月借金を返す先を減らしたい、あるいは、借金返済にもう少し意欲的に取り組む必要がある場合には雪だるま式が良い。

「借金が行動上の問題である人には、雪だるま式が適している」と、クレジットカードの整理・返済向け金融アプリ、トーリー(Tally)のパーソナルファイナンスの専門家でCFP®のボビー・ルベル氏は言う。「手っ取り早く成功体験を得て前に進む気になるには、雪だるま式を選択するのが良い。一番金利の高い借金が残るので負担は減らないが、行動変容を促して返済を続け、その勢いを維持するのに役立つ」

雪だるま式の長所と短所

長所 短所
返済先の数を早く減らせる 長期的に金利負担でコストが高くなる可能性がある
借金を返済し、目に見える結果を早く出せるため、返済意欲を高められる可能性がある 残高が増え続けるので、借金すべてを返済するのに時間がかかる可能性がある
金利が低い借金を複数抱えている消費者に適している 残高が多い、あるいは、高金利の借金がある消費者には向かない

雪だるま式借金返済の例

例えば個人ローンが4500ドル、クレジットカードローンの残高が8000ドル、自動車ローンの残債が2万ドルあったとしよう。雪だるま式の場合、クレジットカードローンと自動車ローンに最低金額を支払い、残りの資金をすべて個人ローンの返済に回す。

個人ローンを完済したら、次はクレジットカードローンの返済に注力し、最後に自動車ローンを返す。

注:テキサスA&M大学の調査では、「雪だるま式」がもたらす「小さな成功体験」が大きな動機になることを示している。

雪崩式借金返済とは何か?

雪崩式は金利に基づいて借金を返済し、余剰資金を真っ先に最も金利が高い借金返済に回す。その借金を完済したら、次に金利が高い借金返済に移行するのだ。ロベル氏は言う。「すべての借金に最低金額を払って、余剰資金を最も高金利の借金返済にできるだけ多くつぎ込む。一番金利が高い借金を完済したら、次に金利が高い借金に移る。これをすべての借金を返済するまで繰り返す。この方法では雪崩のようにひとたび勢いがつくと、返済が滞ることはない」

この戦略の目的は、一番コストの高い借金返済を優先し、全体の金利負担を軽減することだ。

「純粋にコスト面から見ると、雪崩式では最も金利の高い借金返済を優先するので、常に返済額当たりのコスト軽減効果が大きい。この方法の目的は、貯蓄に回すために、高金利の借金から取り除いていくことだ」

できるだけ多く貯蓄したいなら雪崩式は最適だが、欠点もある。その1つは、すぐに結果が出ないのでフラストレーションがたまることだ。また、複数の借金を長い間抱え続けるのも難点だ。

「雪崩式は、借金を多く抱えている人や、高金利の借金がある人に向いている」と言うのは、ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオン(Navy Federal Credit Union)のパーソナルファイナンス・マネジメントチームのマネージャー、トーマス・ラッカ氏だ。雪崩式は返済先の数がなかなか減らないのでイライラするかもしれない。だが、最もコストが高い借金の完済にまず注力するので、借金全体の返済スピードは早まる。

雪崩式の長所と短所

長所 短所
金利負担を軽減できる 一般的に始めは進捗が見えにくいので、規律が必要
借金全体の残高を早く減らせる 借入金利がどれも低い場合は適していないことがある
残高が多く高金利の借金を抱える人に適している 当面は複数の借金に対応し続けなければならない

ヒント:予算管理が極めて重要だ。毎月にかかる経費と、借金返済にいくら充てられるかを知っておく必要がある。そして完済するまで毎月この金額を必ず借金返済に回そう。

戦略を選んだらやり続ける

借金返済に手こずっているなら、雪だるま式でも雪崩式でも有効だ。重要なのは、返済すべき借金を選びその返済に注力すること、とアナスタシオ氏は言う。

「絶対やってはいけないのは、どの借金にも満遍なく少し多めに返済することだ。クレジットカードローン、個人ローン、その他の借金など複数抱えている場合は、一つに絞り、他の借金には最低金額を返し、残った資金でその借金を完済しよう。これが返済先を減らす最も手っ取り早い方法だ」

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