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- ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア全土に自分のオフィスのレプリカを持っていると、元諜報部員が語っている。
- プーチンの狙いは、自分の居場所を隠し、「外国の諜報機関を混乱させる」ことにあるという。
- ロシアから亡命したこの元諜報部員は、プーチンのパラノイア的な安全への執着を明らかにした。
亡命したロシア情報機関の元大尉によると、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、居場所が判明しないように、自身の複数の住居にオフィスのレプリカを作ったという。
プーチン大統領の警護をしていたロシア連邦警備隊の元大尉、グレブ・カラクーロフ(Gleb Karakulov)はドシエセンターとのインタビューで、ロシアの指導者のパラノイアと安全への執着について語った。同センターは亡命したロシアの実業家、ミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)が資金を提供する調査報道機関だ。
カラクーロフによると、サンクトペテルブルク、ソチ、ノボ・オガリョボにあるプーチンの住居のオフィス部分はどれも同じに見えるよう設計されているという。
また、テレビのニュースでプーチンがある場所で会議をしていると報じられていても、実際には別の場所にいたこともあったという。
プーチンは黒海の宮殿「ボチャロフ・ルーチェ」にもモスクワオフィスのレプリカを作ったと2020年に報じられた。クレムリンの報道官はその時、この報道を否定し、「情報攻撃」だと訴えた。
カラクーロフによると、プーチンは自宅にいるにもかかわらず、空港に向けて車列を送り出し、居場所をますます分からなくさせることもあったという。
「彼ら(警備チーム)は出かけるふりをすることをジョークにしていた。飛行機を準備し、車列を組んで出発させる。実際にはプーチンはソチに留まっているのに。これは、第一に外国情報機関を混乱させるための策略であり、第二にプーチンの命が狙われるのを防ぐために行っていることだった」
また、飛行機だとフライトトラッカーで監視される可能性があり、それを避けるために、プーチンは何の変哲もない灰色の列車で移動していたとカラクーロフは述べた。
ドシエセンターとの長いインタビューで、カラクーロフはロシアの指導者がますます孤立し、恐怖を感じているようだと語っていた。
「彼は病的なほど自分の命が脅かされることを恐れている」
カラクーロフによると、プーチンは携帯電話やインターネットを使うことを避け、ほとんどの時間をさまざまな住居で過ごしているため、「情報の真空状態」にいるという。その結果、「世界との接点を失っている」と彼は述べた。
プーチンの過度に孤立した状態は、COVID-19の流行によりますます悪化したという。彼は人との接触を絶ち、直接面談する人には厳しい検疫期間を設けるようになった。今でもウイルスに感染することを極度に恐れており、側近には1日に何度もPCR検査を受けさせているという。