1969年7月20日、アポロ11号の宇宙飛行士が撮影。
NASA/Flickr
49年前の7月20日、人類は月に降り立った。
地上に立っていると、地球には我々を探検や冒険へと誘う、無限で豊かな大地が広がっているように思える。
だが宇宙飛行士は違う。違うことを願ってさえいる。
「『死んだら天国に行きたい』と人はよく言う」とアポロ8号と13号で月に行った宇宙飛行士ジム・ラベル(Jim Lovell)は以前、Business Insiderに語った。
「実際には、人は生まれたときに天国に行く」
ラベルは、何もない孤独な宇宙空間の中に、ただ1つ、ぽつんと浮かぶ小さな岩の上に我々が生きている様子を自分の目で見た。また彼は、それが我々が手にした唯一の宇宙船、70億以上の人々が乗る壊れやすい宇宙船だと語った。
「適度な質量と、生命に不可欠な水と大気を閉じ込めるための重力がある惑星に、我々はたどり着いた。恒星の周囲を正しい距離でまわる惑星にたどり着いた。
寒すぎるほど遠すぎず、暑すぎるほど近すぎず、恒星のエネルギーを吸収できる正しい距離。そしてそのエネルギーが地球を進化させる生命をもたらした」
人類は地球の写真を、数百マイル、数千マイル、数百万マイル、さらには数十億マイルすら離れた場所から記録してきた。その中には、ラベル自身が撮影したものもある。
これらの写真は、科学者が地球を研究するためだけでなく、地球がはるか彼方からどう見えるかを知ることにも役立つ。そして他の生命体を探す手がかりにもなる。
だが最も大切なことは、写真が宇宙のチリの上に暮らす我々の特異さを際立たせること。
これまでに人類が宇宙から捉えた、最も印象的な27枚の地球の写真を見てみよう。
数少ない人工衛星だけが、地球全体の姿を数千あるいは数百万マイルの彼方から捉えることができる。
NASA GSFC/NOAA
撮影 : 地球観測衛星スオミNPP(Suomi National Polar-orbiting Partnership spacecraft)
日付 : 2015年4月9日
人工衛星による観測で、我々は地球の状態を知ることができる。その過程で、太陽、月、地球の珍しい配列を捉えることもある。
NOAA/NASA
撮影 : ゴーズ-16(Geostationary Operational Environmental Satellite-16:GOES-16)
日付 : 2017年1月15日
日食の間、地球の上を移動する月の影も捉えた。
撮影 : 深淵宇宙気候観測衛星(Deep Space Climate Observatory:DSCOVR)
撮影 : 2016年3月9日
宇宙空間をさらに奥深く探索したとき、地球はより魅惑的なものになる。
ESA; MPS/UPD/LAM/IAA/RSSD/INTA/UPM/DASP/IDA
撮影 : 彗星探査機ロゼッタ(Rosetta)
日付 : 2009年11月12日
地球は、薄く、ほとんど目に見えない大気のベールで覆われた、輝く青い大理石のよう。
NASA
撮影 : アポロ17号の宇宙飛行士
日付 : 1972年12月7日
暗い宇宙の中を1人ぼっちで漂っている。
NASA/Flickr
撮影 : アポロ11号の宇宙飛行士
日付 : 1969年7月20日
ほぼ1人ぼっち。
撮影 : 深淵宇宙気候観測衛星(Deep Space Climate Observatory:DSCOVR)
日付 : 2015年7月16日
月 —— 冷たく、空気もない、地球の50分の1の大きさの岩 —— は、最も大きく、最も近くにある宇宙の仲間。
NASA
撮影 : アポロ8号の宇宙飛行士ウィリアム・アンダース
日付 : 1968年12月24日
月と地球の関係は謎に満ちている。月は45億年前、火星サイズの惑星が原始地球と衝突して誕生した。
NASA/Goddard/Arizona State University
撮影 : 無人月探査機ルナー・リコネサンス・オービター(Lunar Reconnaissance Orbiter:LRO)
日付 : 2015年10月12日
これは、1950年代から世界各国が月に人やロボットを送りこんだことで分かった。
2008年、ルナ・オービター画像復元プロジェクト(LOIRP)は、ルナ・オービター1号が撮影した月から地球を望む画像の高解像度バージョンを公開した。
NASA/LOIRP
撮影 : ルナ・オービター1号(Lunar Orbiter 1)
日付 : 1966年8月23日
月探査はテクノロジーの成果であり、
NASA
撮影 : アポロ11号の宇宙飛行士マイケル・コリンズ
日付 : 1969年7月21日
飽くことのない人間の好奇心の現れであり、
Chinese National Space Administration/Xinhuanet
撮影 : 嫦娥(じょうが)5号-T1(Chang'e 5-T1)
日付 : 2014年10月29日
究極のアドベンチャーの探求。
撮影 : アポロ10号の宇宙飛行士
日付 : 1969年5月
地球と月は、離れすぎているわけではない。
NASA/USGS
撮影 : アポロ10号の宇宙飛行士
日付 : 1969年5月
だが、人工衛星を送り込めた国はわずかしかない。
CNSA/KACST (via CCTV News)
撮影 : 竜江二号(Longjiang-2)
日付 : 2018年
探査機を遠くへ送り込むほど、
NASA/JPL/Northwestern University
撮影 : マリナー10号(Mariner 10)
日付 : 1973年11月3日
地球がより特異なものに見えてくる。
NASA/JPL
撮影 : ガリレオ(Galileo)
日付 : 1992年12月16日
月も孤独に見える。
NEAR Spacecraft Team/JHUAPL/NASA
撮影 : 地球近傍小惑星接近計画(Near Earth Asteroid Rendezvous:NEAR)
日付 : 1998年1月23日
多くの写真は、地球と月の距離を正確に表していない。
NASA
撮影 : ボイジャー1号(Voyager 1)
日付 : 1977年9月18日
数十万マイル、数百万マイルを旅したら、地球と月の距離23万9000マイル(約38万5000キロ)を本当に理解できるだろう。
ESA/DLR/Freie Universität Berlin
撮影 : マーズ・エクスプレス(Mars Express)
日付 : 2003年7月3日
広大で、何もない。
NASA/JPL/Arizona State University
撮影 : マーズ・オデッセイ(Mars Odyssey)
日付 : 2001年4月19日
地球と月のペアも、広大な宇宙では些細なもの。
NASA/JPL-Caltech
撮影 : 木星探査機ジュノー(Juno)
日付 : 2011年8月26日
火星から見ると、地球は夜空にある1つの“動く星”でしかない。
NASA/JPL/Cornell/Texas A&M
撮影 : 無人火星探査車スピリット(Spirit Mars Exploration Rover)
日付 : 2004年3月9日
土星からは、氷の環の輝きの中で見えなくなっているかもしれない。
NASA/JPL/Space Science Institute
撮影 : 土星探査機カッシーニ(Cassini)
日付 : 2006年9月15日
太陽系の中のちりに見える。
土星の環の間から見えた地球と月。2017年4月12日。
NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
撮影 : 土星探査機カッシーニ(Cassini)
日付 : 2017年4月12日
数十億マイルの彼方から見た地球。カール・セーガン(Carl Sagan)が「ペイル・ブルー・ドット(淡く青い点)」と呼んだことで知られている。小さな、1人ぼっちの星の上で、成功も悲しみもすべてが繰り広げられている。
NASA/JPL-Caltech
撮影 : ボイジャー1号(Voyager 1)
日付 : 1990年2月14日
※敬称略
[原文:27 of the most iconic, jaw-dropping photos of the Earth and the moon from space]
(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)