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設置数2000基!変わりゆくバス停と日本の景観美。最新バス停事情の表舞台から裏舞台まで完全レポート!!

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日本のバス停が変わる!?屋根・ベンチ・広告付きのバス停が増加中!!

ひと昔前のバス停といえば、丸い板にバス停名、その下に時刻表があって、道路脇にぽつんと置かれているというイメージでした。

しかし、最新のバス停はというと、ベンチや立派な屋根、さらには広告などがついているものなどが増えてきています。この最新のバス停の設置や管理を行っているのは、バスの運行会社でも自治体でもなく、エムシードゥコーという会社が一手に担っているそうなのです。

最新のバス停

フランスでは創業50年!画期的な事業モデル

そこで、今回はエムシードゥコーの事業開発部で活躍されている部長の猪爪さんに話を伺ってきました。

― 事業開発部 部長 猪爪 勇斗

  • 2004年 早稲田大学商学部卒業
  • 2006年 早稲田大学芸術学校都市デザイン科卒業
  • 2006年 エムシードゥコー㈱入社、事業開発部配属
  • 2012年 より同部プロジェクトリーダー
  • 2015年 より現職

まずは、どことなく海外の匂いのする会社名の由来とは?

「親会社はジェーシードゥコーというフランスの屋外広告事業者でして、バス停に広告を設置する代わりに、無料でバス停の整備や清掃を行うストリートファニチャという事業を行っていたんです。本国では50年以上の歴史をもつ事業です」


まさに、最近よく見かけるバス停ですね!

「こちらを大山昇という当時の三菱商事のパリ支店長が見かけ、ぜひとも日本でも導入したいと考え、合弁会社を設立しました。三菱商事(Mitsubishi Corporation)の頭文字の「エムシー」と、ジェーシードゥコーの「ドゥコー」から取って「エムシードゥコー」という名になったんです。ちなみに大山はエムシードゥコーの設立時の初代代表となっています」


なるほど。そこからバス停に広告や屋根などを設置したモデル、ストリートファニチャが日本中に広がっていったんですね!

「いえいえ(笑)。エムシードゥコーが設立されたのは2000年ですが、一番最初に広告付きバス停を設置できたのは2003年でした。岡山の両備ホールディングス株式会社・小嶋社長が当社の提案事業に非常に関心を持ってくださいまして、色々な側面から厚いサポートをしていただきまして、設置にこぎつけられました」


屋根やベンチをバス停に無料でつけてくれるとお得なのに3年も設置に時間がかかったんですか!?

「日本ではこの事業をB-Stop®︎という名称で展開しています。今でもそうですが、日本では道路上での屋外広告が原則禁止されていて、規制緩和を含めて実現まで長く険しい道のりが予想されていました。日本はこれでも早い方ですね。他の国では規制が緩和されるまで10年以上かかったところもあります」


どういったところに難しい点があったのでしょう。

「先ほども申し上げた通り、国土交通省が定める道路法では基本的に公共空間、道路上での広告掲出というのは認められていません。ですので、B-Stop®には特例的な取扱方針が必要で、これが出るまで、ほぼ毎日のように国土交通省と警察省の担当者に、こんな広告事業があると、当社の事業スキームについてのご提案をして、漸く第1号の設置に辿り着いたんです」


まさに、規制を突破したと! このB-Stop®を設置するためにはエムシードゥコーではどんなことをされているのでしょうか。

「バス停は道路上に設置されているので各自治体の許可が必要となります。その中で、広告を管轄している部署、公共交通を管轄している部署、道路上の設置物を管理している部署など様々。例えば屋外広告を管理している部署ですとなるべく町の中に広告を増やしたくないという考えのところもありますし、一方で公共交通を推進している部署ですとバス停の整備を進めたいという意向があったりします。そういった部署、一つ一つに理解をいただき各地での整備が進められるようにしてきました」


そして、現在では日本全国41都市でB-Stop®展開されるまでに!

「当社の事業の場合は税金を1円も使わない、広告収入でバス停の上屋を整備できるという、誰からもご賛同いただけるコンセプトがありますので、そういったメリットを自治体や市民の方、バス事業者さんにひとつひとつ丁寧にご説明していくことが重要だと考えています」

隔週で広告を入れ替え! 整備は大変?


このB-Stop®はどのくらいのペースで整備されているんですか?

「2週間ごとにバス停の清掃や広告の交換を行っています」



2週間ごとに広告を入れ替えて、掃除をしてと大変なのでは?

「効率的かつスムーズに作業ができるように広告パネルもバス停の上屋もデザインしているので、最小人員で短時間に作業ができるようにしているんです。既に国内に2,000基以上設置してますので、1カ所あたりの清掃交換作業をいかに効率的かつスムーズに作業できるかが非常に重要になります。また、バス事業者さんとは基本的に20年間の契約を締結しておりまして、その期間はお約束した清掃・メンテナンス、ポスター交換・管理を行います。ですので、事業を継続する為にも、運営・維持管理を工夫して、質を維持しながら効率化していくことが非常に重要になります。」


たしかに、2,000基ともなると維持管理費だけでも莫大なものになりそう。しかし、バス停のデザインもされているんですね。

「はい、事業スキームや清掃メンテナンスと同様に、デザインも非常に重要と考えています。毎日人々の目に触れる施設ですので。我々が国内で設置している広告付バス停のデザインを主に担当して頂いているのがGK設計さんです。数多くの素晴らしいデザインを発表されていますが、設立者の榮久庵憲司さんデザインされたキッコーマンの醤油さしが最も有名ですね。そのおかげもあって、B-Stop®は2005年にはグッドデザイン賞をいただいたこともあるんですよ」

出展:エムシードゥコー株式会社
※もっと写真を見たい方はエムシードゥコー株式会社公式HPよりご覧いただけます。


どうりで、おしゃれなデザインなわけです! そういった点も利用者の方にご好評なのでは?

「現場で作業をしていると、バスを利用されているお客様と接する機会があるのですが、そういったお声も頂きます。また、ポスターへの評価や、清掃・メンテナンスについても『いつもきれいにしてくれてありがとう』といった声を頂戴しております。広告も2週間に1度かわるので、バス停に来るたびにポスターが変わっていることや季節感があるのがとても楽しいといったお声もありますね」


クリスマス前にクリスマス商品の広告が出れば、バス停自体が華やかな季節感を演出できますもんね。

「屋外公共空間の景観は、その自治体や市民の共有財産ですので、景観向上のために条例等を用いて屋外広告などを厳しく管理・制限するのが自治体の役割です。また同時に、この都市景観を活用して市民にサービスとして還元していくことも求められています。景観向上にも寄与する美しい屋外広告を認めてもらい、その利益をサービスとして市民に還元していくというのが弊社のストリートファニチャの考え方ですね」


そういった考え方が国内でも受け入れられたんですね。

「さらには、バス停の整備の負担がバス事業者にとって大きくなってきたという社会的情勢もあったと思います。1980年代後半からどんどんモータリゼーションが進んで、人口も減少して、どんどんバスの利用者が減っていく中で、バス事業はその維持が難しくなってきています。バス停の整備にまで手が回らないという社会的な背景があったのが我々の事業を日本に導入できた大きな要因の一つだと思われますね」


たしかに、一部の路線では人員が足りず廃線になってしまうこともあると聞いています。

「バスにかかる期待はまだまだ大きいと思います。たとえば、鉄道路線を廃止した際の代替手段としてまず挙げられるのがバスです。ただその一方で、バスの運転手の確保が非常に大きな課題になっているというのは各バス事業者さんから聞いております。そんなバス事業者さまのお手伝いが少しでもできるように、各地へもっとB-Stop®を増やしていきたいですね」


景観や街並みに溶け込みながらも、便利なバス停はこれからも増えていくのでしょうか?

「ぜひ、増やしていきたいですね。2020年の東京五輪を迎えるにあたって、数を増やしていくことはもちろん、B-Stop®に公衆無線LAN(フリーWi-Fi)やUSB充電器を搭載して欲しい、という声がありますし、そういった機能を搭載した地図サインの整備といったご要望も多くいただいています。道路上サービスに求められるものは様々ですので、そういったものにも取り組んでいきたいですね」


バス停にUSB充電器があったら、何本かバスを見送る人も増えてきそうですね(笑)。

バス停が便利になった理由、お判りいただけたでしょうか。これからバスに乗るときはバスだけではなくバス停にも注目してみてください!

協力:エムシードゥコー株式会社(MCDecaux)

ホームページリンク:http://www.mcdecaux.co.jp/

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