水郷の町・愛知県蟹江町。大都市・名古屋に隣接する町で、至るところに川が流れる美しい町です。その川の多くは伊勢湾に面した汽水域となっていて、ボラの生育に適した環境であることから、ボラを使った家庭料理が伝わっています。今回トムさんが訪ねたごちそうは“ボラ雑炊”。
もともとは水田の少ないこの地で、豊富なボラをたっぷり入れ、少ないお米を美味しく頂く工夫から出来た料理でした。今ではご飯もたっぷり入って雑炊というより、炊き込みご飯風。
昔は全国で食べられていたボラ。現在も西日本ではお馴染みの魚ですが、関東や東日本では食べられなくなった地域も多く、トムさんもボラを食べるのは今回が初めて。ボラの脂の香ばしさにトムさん、思わずおかわり!
そしてもう一つ、出世魚であるボラにあやかって、町の方々がお祝いのときに食べているという“いなまんじゅう”・・・町に伝わるボラの幼魚イナを使った料理を訪ねます。120年ほど前に、旅人をもてなすために考えられたと伝えられるこの料理は、特殊な調理法から今では家庭で作られなくなりましたが、町の3軒のお店だけで食べることが出来ます。水郷の町、蟹江の人々に愛されている懐かしいごちそうでした。