【スペシャル対談】三宅裕司×戸田恵子 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【スペシャル対談】三宅裕司×戸田恵子

【スペシャル対談】三宅裕司×戸田恵子

二人が語るニューヨークへの想いと
果てしないビッグ・バンド・ジャズの魅力

 飛び切りハッピーな春がやってくる。三宅裕司ひきいるエンターテインメント・ビッグ・バンド"Light Joke Jazz Orchestra"が、戸田恵子をスペシャル・ゲストに迎えた公演を開催するのだ。題して「ニューヨークをSwingしよう」、早速ふたりに話をきいた。

interview & text = Kazunori Harada
photography =  Makoto Ebi

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約15年ぶりのジョイント・ジャズ・ライヴ

三宅裕司(以下、三宅): 僕は本当にビッグ・バンド・ジャズが大好きで、一人でも多くの人にこの魅力を知ってほしいと思ってLight Joke Jazz Orchestraを結成しました。これまでグループサウンズ、民謡、昭和アイドル等の楽曲をジャズ・アレンジでお送りするライヴをしてきましたが、今回のテーマは「ニューヨークをSwingしよう」。ニューヨークが大好きな戸田さんをゲストにお迎えしたいと考えた時に、これしかないと思いました。当日は、戸田さんと創るサウンドで、皆さんをニューヨークにお連れします。

戸田恵子(以下、戸田): 私は昔からビッグ・バンドが大好きで、歌手デビューした当時は管楽器の入った生バンドと一緒にツアーしていたこともあるんです。どこにでもいそうなおじさんが、トランペットやサックスを持つと途端に颯爽として、子供心に"かっこいいなあ"と思った記憶があります。三宅さんのビッグ・バンドとは、結成間もない頃に歌わせていただいたことがありますが(2008年、六本木・スイートベイジルSTB139公演)、久しぶりにご一緒できるのが楽しみです。

三宅: あの公演は鮮明に覚えています。その頃、僕のドラムの譜面は優しいアレンジで 、真っ白に近かったんですが、それでも緊張でアクセントの位置を間違えたり・・・アレンジャーが僕に向かって指揮をして、それで事なきを得たことがありました。

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戸田: それからどんどん会場の規模も大きくなって、ブルーノート東京に三宅さんのライブを見にいくごとに"すごいなあ"と思っていました。

三宅: 小さい頃から音楽に取り組んで、バークリー音大を出てプロになったような方と一緒に組んでいるわけですから、こちらも練習あるのみです。そうしたプロの人達と一緒にビッグ・バンドができること、同じビートの中にいることが嬉しいですね。ある年のライブの打ち上げの時、メンバーに"今回初めて、小節を数えないで叩けましたよ"と話したら、"三宅さん、やっと本当の世界に入ってきましたね"と言われたことを思い出します。

戸田: 私も常に"もっと歌の勉強をしたい、うまくなりたい"という気持ちがあります。以前、ピアニストの宮川彬良さんと共演した時にエラ・フィッツジェラルドを勧めていただきました。「とにかく、エラを聴けばいいんです」と言われて、iPhoneに入れた音源を時間が許す限り聴いています。

ニューヨークへの想い、公演の抱負

戸田: 自分に刺激を入れたいという思いもあって、コロナ禍になる前は毎年ニューヨークに行っていました。ヨーロッパに比べると、かなりアクティブな雰囲気を感じますし、人々の反応が率直です。舞台でもダメなものはすぐにクローズして、逆に良いものは"いつまで続けるの?"というほどロングランします。厳しい状況で努力している人が成功していくのは見ていて気持ちがいいですね。

三宅: ミュージカル、アクション、コメディーという形の劇団(SET)を43年続けていますが、その要素がニューヨークのブロードウェイには全部ありますからね。若い頃は毎年のようにニューヨークに行って、ちょっとしたクラブで聴くブルースの良さとか、飛び入りしたミュージシャンの凄さとか、"なんなんだ、この街は"と刺激を受けました。ハーレムで見たゴスペル・ミュージカルの「ママ・アイ・ウォント・トゥ・シング」は、見終わってから感動で立ち上がれなかったですね。ところで、戸田さんと僕が初めて会ったのは・・・

戸田: 日本テレビのアニメ『キャッツアイ』の吹き替えをしていた頃に(1983年)、その宣伝として出演したバラエティ番組で初めて三宅さんにお会いしました。すごくおしゃべりの達者な機転のきく方だなと思っていたら、やがてどんどんテレビにお出になって。舞台上でガッツリご一緒したのは伊東四朗さんの一座(伊東四朗一座:喜劇『俺たちに品格はない』2008年)ですね。音楽に精通していらっしゃるということは、もちろんその前から存じあげていました。

三宅: ドラマでも一緒になったことを思い出しました。僕はパン屋さんの役で、すぐ死んじゃうんですけど(笑)。

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戸田: どんなときにも、三宅さんがいたら大丈夫という安心感があります。今度の公演も、三宅さんに呼んでいただいたこと、ビッグ・バンドで歌うこと、ブルーノートの舞台に初めて立つこと等、嬉しい要素がいっぱいあって本当に楽しみです。たくさんの皆さんに喜んでいただけるよう、良いステージをお届けしたいと思っています。ビッグ・バンドの音と一緒に歌えるのは、本当に贅沢なことです。

三宅: 今回のアレンジは、特にビッグ・バンド・サウンドの素晴らしさが出ていると感じています。5本のサックスがハモって、そこに戸田さんの歌がどう絡んでくるのか。僕はドラムを叩きながら、このサウンドに参加できてることに感動しちゃうと思います。合間合間に笑いも入れて、お客さんがお酒を飲みながら"ビッグ・バンドのエンターテインメントが戻ってきた!"と思ってくれるようなライヴにしたいですね。

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★三宅裕司さんのYouTubeチャンネルにて、インタビュー拡大版も公開中!

LIVE INFORMATION

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ENTERTAINMENT BIGBAND LIVE
三宅裕司 & Light Joke Jazz Orchestra
with special guest 戸田恵子
"ニューヨークをスウィングしよう"


2023 3.19 sun., 3.20 mon., 3.21 tue.
3.19 sun., 3.21 tue.
[1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm
3.20 mon.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:45pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/yuji-miyake/

<MEMBER>
三宅 裕司(ドラムス、パーカッション)
戸田 恵子(スペシャルゲスト、ボーカル)

土井 徳浩(アルトサックス)
辻野 進輔(アルトサックス)
寺井 雄一(テナーサックス)
吉本 章紘(テナーサックス)
宮木 謙介(バリトンサックス)
村上 基(トランペット)
羽毛田 耕士(トランペット、アレンジ)
谷殿 明良(トランペット)
上石 統(トランペット)※3.19, 3.20のみ
佐瀬 悠輔(トランペット)※3.21のみ
張替 啓太(トロンボーン)
和田 浩(トロンボーン)
和田 充弘(トロンボーン)
河野 広明(バストロンボーン)
佐久間 優子(ピアノ)
川本 悠自(ベース)
稲垣 典行(ドラムス)
白土 直子(コーラス)
丸山 優子(コーラス)


原田和典(はらだ・かずのり)
音楽ジャーナリスト。元「ジャズ批評」編集長、米ジャズ誌「ダウンビート」国際批評家投票メンバー。東京建物バッグ ブリリア アート ギャラリーで開催中のART in MUSIC 「POINT OF JAZZ」展の一部プログラムの監修も手掛ける。

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