日本株は上昇、34年ぶり円安を好感-輸出関連や不動産株が高い
我妻綾、エディ・ダン
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27日の東京株式相場は上昇。外国為替市場では34年ぶりの水準まで円安が進み、輸出関連株が買われた。不動産株の上げが目立った。
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TOPIX上昇に最も貢献したのは東京エレクトロンで1.5%の値上がり。指数構成銘柄2148のうち1520銘柄が上昇、551銘柄が下落した。
円安進行を背景に電機や商社株が買われた。円相場は一時1ドル=151円97銭と1990年7月以来の水準まで下落。鈴木俊一財務相は「行き過ぎた動きにはあらゆるオプションを排除せずに断固たる措置を取っていきたい」と述べ、介入も辞さない姿勢を示した。
TOPIX業種別指数では不動産業が上昇率トップ。国土交通省の統計で全国の地価が3年連続で上昇したほか、日本銀行の田村直樹審議委員の発言を受けて借り入れコストが低水準にとどまるとの思惑が強まった。
ゆっくりと着実に正常化進め、大規模緩和を手じまい-田村日銀委員
セゾン投信の瀬下哲雄マルチマネジャー運用部長は田村委員の発言について、「ゆっくりと」金融政策の正常化を進めるという部分が「cautiously(注意深く)」ではなく「slowly(のろのろと)」というニュアンスで捉えられ、年内の追加利上げ観測が遠のいた可能性を指摘した。
きょうは年度内受け渡しの最終売買日となり、高配当銘柄や株主優待のある銘柄に3月末の権利取りを狙った買いが入りやすかった。
3月のTOPIXと日経平均は月間ベースで3カ月連続の上昇となる勢いを保っている。日銀は先週、17年ぶりとなる利上げに踏み切ったが、市場のセンチメントを弱める効果はほとんどなかった。
インサイト
- 東証33業種は32業種が上昇、上昇率トップは不動産業、下落は電気・ガス業
- MSCIアジア太平洋指数は0.1%上昇
- TOPIXは年初来18%上昇、MSCIアジア太平洋指数は4.5%上昇
- TOPIXの12カ月先予想PERは16.2倍
背景
- 円が対ドルで約34年ぶり安値に下落、断固たる措置取ると財務相
- 3メガ銀が10兆円の持ち合い株式売却を加速へ、損保問題が契機に
- ドル・円相場は1ドル=151円台後半、前日の日本株終値時点は151円37銭
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