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ボーイングCEO、「問題は当社が原因」-アラスカ航空事故巡り

更新日時
  • ボーイングは2024年の業績ガイダンス発表を取りやめ
  • カルフーンCEO、品質改善への注力を従業員に通知
A Boeing 737-10 Max aircraft lands beside a Boeing B777-9 during a flight demonstration at the 2023 Paris Air Show.
A Boeing 737-10 Max aircraft lands beside a Boeing B777-9 during a flight demonstration at the 2023 Paris Air Show. Photographer: Nathan Laine/Bloomberg

ボーイングは、2024年の業績予想発表を取りやめた。737MAXの機体の一部が吹き飛ばされるという事故をはじめとした一連の品質問題への対応に追われる中、この時期にガイダンスを提示するという慣行を破った格好だ。

  デーブ・カルフーン最高経営責任者(CEO)は31日、2023年10-12月(第4四半期)決算に関する電話会見で、アラスカ航空機で機体の一部が吹き飛んだ事故について、この事故に至った「問題は当社が原因」だと述べた。根本的な原因については現在調査が進行中だとしつつ、事故の最終的な責任はボーイングにあると語った。

  10-12月期決算では損益、キャッシュフロー、売上高の全てがアナリスト予想を上回った。ただそうした好業績も、737MAXを巡る問題やそれに伴う規制強化への対応の影に隠れてしまっている状況だ。

ボーイングの決算などについてのブルームバーグTVのリポート
Source: Bloomberg

  カルフーンCEOは従業員宛ての文書で、「通常ならこの時期に財務・経営目標を共有ないし修正することも多いが、今はその時期ではない」と説明。「われわれは全ての機体に集中すると同時に顧客のサポートに全力を尽くすのみだ。当局の指示に従い、あらゆる活動において最高水準の安全性と品質を確保していく」と記した。

Boeing CEO Dave Calhoun Meets With Lawmakers On Capitol Hill
デーブ・カルフーンCEO(ワシントンにて、1月24日)
Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

  ボーイングは通常、10-12月期の決算発表時にキャッシュフローならびに737MAXと787ドリームライナーの納入に関する年間見通しを示すことから、同四半期の決算発表は特に重要視されている。

  だが現在、顧客や規制当局、議員らが製造上の問題に関して確実な対応を要求する中、ボーイングは投資家に対し辛抱強く待つよう求めている。

  カルフーン氏は従業員宛て文書の中で、品質向上への注力を強調。「工場で働く従業員は、改善のために何をすべきかを誰よりも良く分かっている」とし、対処が必要な問題を提起するよう従業員に強く促した。その上で、「急がずゆっくりと進めていく」と記した。

  10-12月の調整後1株損益は47セントの赤字。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は76セントの赤字だった。売上高は220億ドル(約3兆2400億円)と、市場予想(211億ドル)を上回った。フリーキャッシュフローは29億5000万ドル。市場予想は20億9000万ドルだった。

原題:Boeing’s CEO Says ‘We Caused the Problem’ in Alaska Air Blowout(抜粋)

(決算会見でのCEOの発言を追加し、更新します)
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