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楽天Gの子会社上場、かえって財務懸念想起-焦点はモバイル事業

更新日時
  • 資金調達額が少なく資金繰り厳しいと勘ぐってしまう-証券ジャパン
  • モバイル事業に白黒つけないことには株価影響は軽微-いちよしAM

傘下のネット証券が上場を申請した楽天グループ。株式市場はかえって財務懸念を想起して株式は売り買いが交錯した。黒字化が見えないモバイル事業の行方が株価形成の焦点になるとの見方が出ている。

  楽天証券ホールディングスが東京証券取引所への株式上場を申請したと楽天Gは4日発表した。これを受けた5日午前の株価は前日比2.9%安の502.1円まで下落、節目の500円に接近した。子会社上場は通常は株価の好材料だが、市場は財務体質を疑問視した。株価終値は0.6%高。

  証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長は、楽天Gの証券子会社上場申請について「裏を返せば、財務改善がなかなか進んでいないとの捉え方をされているのではないか」と指摘した。また「資金繰りが相当厳しいのだろうと勘ぐってしまう」とも述べた。

楽天グループとTOPIXの年初来からの株価推移 | 5月の増資を境に対照的な株価に
 
 

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  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員も証券子会社の上場ついて「資金調達額はそんなに大したことはない」として株価に中立だとした。「何よりもモバイル事業に白黒つけないことには株価への影響はないだろう」と述べた上で「市場はモバイル事業を売却すべきとみている」と指摘した。

  楽天G株はモバイル事業の損失で悪化した財務改善を目指した5月の公募増資を機に1株利益の希薄化懸念が強まり、6月末にかけて連日で14年ぶりの安値を更新した。MBO(経営陣が参加する買収)による非公開化観測という月刊誌報道でいったん持ち直したが、戻りは鈍い。

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(第2段落の株価を終値に差し替えるなどして更新します)
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