米財務省の現金残高、500億ドル割り込む-21年以来の低水準更新
Alex Harris、Viktoria Dendrinou、Josh Wingrove-
崖からの転落回避「残された時間はわずか」-ゴールドバーグ氏
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米財務省は連邦政府機関と支払い方法変更の可能性協議-関係者
米財務省が25日に発表したデータによれば、同省の現金残高は24日時点で495億ドル(約6兆9300億円)と、2021年12月以来の低水準を更新した。前日(765億ドル)からの減少幅は日次ベースで今月15日以来最大。12日時点の残高は1400億ドルだった。
バイデン政権と下院共和党が交渉で妥結し、連邦債務上限が引き上げられるか適用停止とされない限り、6月初めまでに政府の支払いのための資金が枯渇するリスクがある。現行31兆4000億ドルの債務上限を上回らないように講じられている措置がこのところの減少の背景にある。
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TDセキュリティーズのストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は最新データについて、「奈落の底にどんなに近づいているか示すものだ」とし、「財務省の計算に疑問を呈する議員も一部いるが、現金残高を見れば非常に近いうちに崖から転落することになるのは明白だ。残された時間はわずかだ」と語った。
一方、事情に詳しい複数の関係者によれば、政府の支払いのための資金が底を突くリスクがあるとされる「Xデー」が近づく状況にあって、財務省は連邦政府機関の支払い手続きを巡り、変更の可能性を協議している。
同省には以前から、債務上限の制約に伴う財政危機に直面した場合、支払いをどのように処理するか概要を説明する財政マニュアルがある。
連邦政府機関の一部は通常の慣行として、支払期限の数日前に処理を行っているが、マニュアルの危機対応では、期限が次の営業日である場合にのみ支払いの処理を行うこととしている。
関係者の1人によると、財務省は政府機関とマニュアルの具体的な内容について話し合っているものの、支払いの報告方法の変更に関してまだ指示していないという。
こうした動きは、政権と下院共和党の交渉が合意に至らなかった場合、財務省が残り少ない資金をどう管理する計画かを示すものだ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は同省が政府機関と進めている危機対応の協議について先に報じていた。
原題:US on ‘Borrowed Time’ as Debt Cap Drives Cash Below $50 Billion、Treasury Discussing Payments-Practice Tweaks as Debt Clock Ticks(抜粋)