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日経平均8連騰、投資家一斉出動でも薄商い-上昇持続性に疑問も

18日の東京株式市場で、日経平均株価は8営業日連続で上昇した。米地銀に端を発した金融システム不安が後退する中で、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本株へ追加投資を検討するとの報道も加わり、終値は2022年8月22日以来およそ8カ月ぶりの高値を付けた。ただ米金融政策や景気の先行きには不透明感が残り、商いは低調なままだ。

8日続伸する日経平均株価
 
 

  JPモルガン証券の高田将成クオンツストラテジストは「複数の株買いシナリオが一緒に足元で走っている」と指摘する。

  米利上げ打ち止めを期待する投資家は優良なグロース(成長)株を買い、長い景気減速やインフレ・金利の高止まりを想定する投資家はバリュー(割安)や景気動向に影響されにくいディフェンシブ銘柄を買い、楽観論の高まりで異なる観測が相まって相場を押し上げていると述べた。

  上昇続きの相場にもかかわらず、連騰期間の東証プライム市場の概算売買代金は2兆円を中心とした推移と伸びない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、金融システムの不安が高まった局面で一部ヘッジファンドなどのヘッジ回避売りの買い戻しが入っているに過ぎないと話す。

  高田氏と藤戸氏はともに来月までに買いは一巡するとみる。新年度入りし、足元では企業は今期計画を開示するタイミングになっている。藤戸氏は、これから企業決算の発表が本格化し、慎重な今年度見通しが出てくれば利益確定の売りに押されやすいと述べた。

  一方、企業業績に対して株価水準は低いままだとの見方もある。ピクテ・ジャパンの松元浩運用・商品本部シニア・フェローは、東京証券取引所が株価純資産倍率(PBR)1倍割れへの対応要請に応じて上場企業が自社株買いなど株主還元に動くとの期待があるとみる。業績推移が下向かなければ割安感に着目した買いが入りそうだとの見通しを示した。

  年初来でみると、日本株は世界株に対してアウトパフォームしている。日経平均はプラス9.8%と、プラス4%台のMSCIアジア太平洋指数(日本を除く)を上回っている。

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