バイオジェン株、6月高値から40%強下落-アルツハイマー薬巡る懸念
Cristin Flanagan-
6月に「アデュヘルム」がFDAに承認された際には6年ぶり高値
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米メディケアのカバー対象になるかに関する判断勧告が重要な材料に
米バイオジェンの株価は26日の下げで年初来の上昇分を全て失った。エーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」への逆風が続いている。
バイオジェンの株価はアデュヘルムが米食品医薬品局(FDA)に承認された6月に6年ぶりの高値を付けた後、40%余り下げ、時価総額は260億ドル(約2兆9500億円)余り減少した。26日には新型コロナウイルスの新たな変異株を巡る懸念が広がり株式市場が売り優勢となる中で、バイオジェン株は2.9%下げた。
米議会の委員会はFDAのアデュヘルム承認について提起された疑問を調査している。医療保険各社は年間5万6000ドルの治療コストの支払いを拒否する方針のほか、先週には患者1人に死亡に続いて脳腫脹(しゅちょう)の副作用に関する新たな詳細が明らかになり、株価の下げに拍車を掛けた。
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アデュヘルムが米メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)のカバー対象になるかに関する判断の勧告は来年初めと見込まれ、最終決定は4月に行われる。多くのアルツハイマー病患者がメディケア適用を受けているため、この決定のバイオジェンの売上高に対する影響は、民間医療保険会社が最近示した方針よりさらに大きい。
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競争の脅威もバイオジェンの株価の重しになっている。米イーライリリーはアルツハイマー病治験薬ドナネマブの承認を得るため審査資料の段階的提出(ローリング・サブミッション)を10月に開始。2022年後半に承認が下りる可能性を見込んでいる。リリーの株価は年初来で54%上昇している。
原題:
Biogen Stock Plunges 40% Since June on Alzheimer’s Drug Turmoil(抜粋)