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中川昭一元財務相が死亡、都内自宅で-警視庁が死因調査中

自民党の中川昭一元財務・金融相 (56)が東京都世田谷区下馬の自宅で死亡したことが4日分かった。 中川氏の地元である北海道帯広事務所の吉田雅人所長が同日、ブルー ムバーグ・ニュースの電話取材で確認した。警視庁の広報担当者も死 亡を確認しており、同庁世田谷署が死因や詳しい状況を調べている。

警視庁によると、4日午前8時18分ごろ、中川氏が自宅2階にあ る寝室のベッドでうつぶせの状態で死亡しているのを妻が見つけ、119 番通報した。検視の結果、死因は不詳。遺書のようなものは見つかっ ていない。

共同通信の報道によると、世田谷署は現場の状況などから事件や 自殺の可能性は低いとみている。着衣や室内に乱れはなく、目立った 外傷もなかったが、ベッド上に嘔吐(おうと)の跡があった。中川氏 は最近、睡眠薬を服用していたといい、同日中に行政解剖して死因を 詳しく調べる。死亡推定時刻は3日午後11時前後とみられるという。

中川氏は1953年生まれで東大法学部卒。日本興行銀行勤務を経て 83年に衆院選で初当選し、8期務めた。98年7月発足の小渕恵三内閣 で農水相として初入閣。経済産業相などを歴任した。今年2月のロー マでの7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後、もうろうとし た状態で記者会見を行った責任を取り財務金融相を辞任。8月の衆院 選では落選していた。

中川氏の死亡について麻生太郎前首相は「ショックが大きく言葉 がない。保守再建に向けなくてはならない人だった。非常に残念だ」 と述べたと共同通信が報じた。藤井裕久財務相は7カ国財務相・中央 銀行総裁会議(G7)に出席するため訪れていたトルコのイスタンブ ールで記者団に対し「心からお悔やみ申し上げる。財務相として立派 に仕事をやってこられた。残念なことだ」と述べた。

マネックス証券の羽賀誠チーフ・ストラテジストは「自民党でも エース級の人で世が世なら総理を狙えた。自民党はこれから立て直し ていく上で、痛い人を亡くした」と語った。

--共同取材:近藤雅岐、乙馬真由美、日高正裕 Editor:Kenshiro Okimoto

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