専門家が選んだマネー本を時短学習
本物の長期投資でいこう!
澤上 篤人
渡部 清二
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株式
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専門家の推薦
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「投資初心者は、つみたてNISAやiDeCoを利用してインデックスファンドをつみたてよう」と進められることが多くはないでしょうか?しかし、「ここ40年は世界の投資市場において、どのような投資をしても利益を上げやすい時代だった」と著者の澤上氏は言います。このバブルはいずれ崩壊していくため、今後はインデックスファンドが低迷し個別株投資が強い時代になると予想しているのです。私は、年間6%くらいで回ればいいのではないか?という澤上さんの考え方に感銘を受けました。 人生が投資であり、連続性で考えてほしい。買い物も投資だと考えさせてくれる一冊です。本書では複雑な計算式などは用いずに、自分の好きな個別株に命をかける投資の理念が書かれています。自分の投資スタイルをより洗練させていくために、投資初心者の方には特に是非読んでほしい一冊です。- 小笹 俊一 -

長期投資は会社の将来の姿を予測すること

個別株の長期投資は10年、15年先の将来を見据えて、会社の価値の高まりを予測することです。株式を購入するタイミングは、株価が安く業績などもボロボロな状態だが、将来的にこの会社はいけるぞと感じたとき。これが投資の最高パターンです。

投資の基本は、将来の価値を早めに見極めること。どんなに面白味を感じる株であっても、周りの人たちがすごいと認めている会社では、既に価値が認められているため、高値掴みになってしまうのです。

また、現在を生きている人間の義務として、いい社会をつくっていくことは子供に対しての親の責任ともいえます。将来を生きていく子供たちのために、投資は期限を定めずに時間をかけていくことで、リターンはあとからついてくるのです。

もし興味を持った会社の株を安く買い、10年経って2倍になっていた場合、年率に直すと7.2%の成績となります。必死になってお金を追いかけていたとしても、年率7%の結果を出すのは困難です。

このように、世の中にとってプラスになりそうな会社を見つけて購入しておき、忘れたころに驚くほど株価が上昇しているのが理想になります。

生活者投資家

生活者投資家とは「自分の好きな会社の株主となって応援していく」という全く新しい概念です。

個人投資家などの拠出した資金を運用している”機関投資家”は株価ばかりを見て短期で成績をあげようとしています。対して生活者投資家は、投資先の企業や製品が好きなファンが株を持ち、長期的に成長を期待するのです。

ファンは自分が好きな商品を残すためにも、会社の売上に貢献したり、株主となったりしてその会社を守って応援していくという考え方です。

特に日本人は、世界の中でもずば抜けた優しさに加えて、共同体意識の高さを持っています。「お互い様」や「お陰様」が通用する日本だからこそ、生活者に優しい潤いのある社会を、企業とともにつくっていけるのです。

機関投資家のカウンターとして「生活者投資家」が日本に増えれば、日本経済が大きく変わっていく可能性があります。

長期投資の絶対条件

長期投資をするときに必ず守るべき絶対条件は「計算しないこと」「自分の投資キャパ(限度)を守ること」の2点です。

計算しないこと

1つ目の条件は、投資先企業を選定する際に計算を一切しないことです。計算結果に頼るのではなく、投資先企業を深くリサーチして、自分の哲学を追求していくことこそが重要だからです。

投資先の選定はPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、配当利回りなど、何らかの計算式を用いて判断する方法が一般的になります。しかし計算をするのではなく、知的好奇心のままに気楽に投資をしていく方が、良い結果に繋がりやすくなるのです。

自分の投資キャパ(限度)を守ること

2つ目の条件は、儲かった、損したと考えずに、自分が自由に投資できる金額の枠を超えないことです。自分の投資キャパを超えてしまうと、株価が大きく下がったときに、耐えられなくなってしまうからです。

損失に耐えられる範囲で自分のやりたい投資を思う存分にやっていきましょう。自分で勉強したり、様々な人のやり方を教わることによって、自分自身で考えて動けるようになっていきます。

投資先(応援企業)の選び方

生活者投資家や絶対条件を踏まえたうえで、次に投資先(応援企業)を選定するための基準について見ていきましょう。

日本株

アメリカなどの海外の会社ではなく、日本株を中心に運用をしましょう。海外投資をして儲かれば利益を得ることができますが、それは海外を応援して日本を蔑ろにしていることになります。

また、我々は日本に住んでいる日本人のため、外国と日本のどちらが詳しいかと聞かれれば、間違いなく日本でしょう。外国の株は現地に住んでいる人の方が詳しいため、わざわざ不利な勝負をせずに、情報を集めやすい日本株で勝負をした方が勝てる可能性が上がるのです。

好きな分野の長寿企業

世の中には様々な業種の会社がありますが、全ての分野において知識をつける必要はありません。一生その企業とお付き合いをしていくため、自分の好きな分野や興味のある分野の中で選べばよいのです。

また今後、金利が上昇していく時代が来れば低金利に乗っかった企業は倒産していき、長い経験のある企業のほうが生き残っていける可能性が高いでしょう。

世の中のためになる会社

企業の本質は、何をもって世の中に評価されているかがポイントです。ビジネスはお客様あってのため、派手さはないけど世の中のために堅実に経営をしていることが大事になります。

一時的に商品が売れて注目されていても、長期的に売れていかないのであれば意味がありません。50年、100年と続いていく長寿企業になれば世の中から評価されるため、お客様からなくなると困ると思ってもらえる企業を探していきましょう。

地方で頑張っている会社

地方で頑張っている会社は比較的株価が低い傾向にあります。現時点では全国的に有名でなくとも、将来的に社会に評価されれば価値は10倍、20倍と上がっていく可能性があるのです。安い時に買っておけば、将来の値上がりを期待することができます。

地方の会社の中には自分たちの限界を見定めて、あえてグローバル化を目指さずに着実に経営をしている会社もあり、そういった企業を応援するのもありでしょう。

アセットアロケーションの切り替え

アセットアロケーションとは、投資資金を株式や債券など複数の異なる資産に配分して運用することです。景気の波は上下を繰り返しているため、その動きに合わせて資産配分も切り替えていく必要があります。

<景気動向と資産の種類>

景気回復期→株式

高金利期 →現金

景気失速期→債券

不景気から好景気に向かっていく時期には株価が上昇する傾向にあるため、株式投資の時期になります。不景気時の株価が安い段階で購入しておくことで、景気回復の波に乗って株価が上昇していく可能性があるためです。

景気回復後の金利が高くなったタイミングでは、金利収入だけでも十分になるため、株式投資から現金運用に変更し、金利を稼ぐのが良いとされています。高金利になると企業活動が鈍くなり、徐々に景気は悪くなっていきます。

景気の後退と合わせて金利も下がっていくため、ここからは債券投資のタイミングになります。債券は金利に反比例して価格が上がるためです。

ここ40年は株式も債券もすべて上がっていたため、切り替えを行う必要がありませんでした。しかし、今後は金利が高くなっていくと予想されているため、株式投資から現金運用への切り替えを行う時期に入ってくるのです。

例外として、いい企業の個別株は株式から現金に変えるタイミングでも2〜3割残しておいても良いでしょう。金利が上昇すると耐えられず、潰れてしまう会社もありますが、いい会社は残り続けるため、保有し続けても問題ないのです。

著者
澤上 篤人
さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3300 億円、顧客数は 11 万 7000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。
著者
渡部 清二
複眼経済塾 代表取締役塾長。筑波大学卒業後、野村證券入社。会社四季報読破を20年以上継続し、2022年に計100冊を完全読破。2016年複眼経済塾の前身となる複眼経済観測所設立。テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。
出版社:
かや書房
出版日:
2023/02/27

※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。

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