北朝鮮、2024年に「偵察衛星を3基打ち上げ」 軍事力強化の一環と

朝鮮中央通信が31日に掲載した、朝鮮労働党中央委員会総会での金正恩総書記の画像

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画像説明, 北朝鮮・平壌で開催された朝鮮労働党中央委員会総会に出席した金正恩総書記(朝鮮中央通信が31日に掲載した画像)

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は31日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が30日まで開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で、軍事力強化の一環として、2024年に「軍事偵察衛星」を追加で3基打ち上げる計画だと述べたと報じた。

2024年の目標を示した金総書記は、対韓国政策で「根本的な方向転換」を行う方針だとも述べた。

また、核開発の目標を推し進める以外に選択肢はないとした。

韓国との統一については、もはや不可能だとし、韓国政府が北朝鮮を敵国として扱っていると金氏は述べた。

韓国をめぐり、金氏がこうした発言をしたのは初めてとみられる。対韓国政策で公式に方向転換することを意味するものだが、実際にはもう何年も、南北統一実現への見通しはほとんど立っておらず、進展も努力もほとんどなされていない。

北朝鮮と韓国の関係は悪化している。北朝鮮は先月の偵察衛星の打ち上げから3日後、2018年に韓国との緊張緩和のために締結した軍事合意を全面的に破棄すると発表した。

米韓の連携に不満

北朝鮮は今年に入り、定期的にミサイル発射実験を続けてきた。今月18日には国連安全保障理事会の決議に違反して、最新鋭の長距離弾道ミサイルを発射した。国連安保理は北朝鮮の核実験と弾道ミサイルの発射実験を禁じている。

この時の長距離ミサイルについて、韓国国家安全保障会議は、固体燃料型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)だとの見方を示した。

アメリカ本土を射程範囲に収めるICBMの発射を、西側諸国は直ちに非難した。

一方で北朝鮮は、米海軍の原子力潜水艦「ミズーリ」が韓国南東部の釜山に入港するなど、韓国がアメリカとの防衛協力を強化していることに不満を抱いている。

北朝鮮国営メディアによると、金氏は中央委員会総会でアメリカを非難し、「我々を侵略しようとする敵の無謀な動きにより、朝鮮半島でいつでも戦争が起こり得る。このことは、既成事実化されている」と述べた。

韓国については、アメリカの「前線軍事基地と核貯蔵庫」に様変わりしたと批判し、「敵軍による対決的な軍事行動をよく見れば(中略)『戦争』という言葉が抽象概念ではなく、本当の現実になっていることがわかる」と付け加えた。

金氏は核・ミサイル戦力の強化やドローン(無人機)の製造などの軍事開発がさらに進むだろうと、2024年の展望を述べた。

「我々は起こり得る核の危機に迅速に対応し、緊急時には、核戦力を含むあらゆる物理的手段と戦力を動員して、韓国全土を制圧する備えを加速し続けなくてはならない」