ローマ教皇、同性カップルへの祝福認めると宣言
キリスト教カトリック教会の教皇フランシスコは18日、司祭が同性カップルに祝福を与えることを許可すると発表した。性的マイノリティー(LGBT)のカトリック教徒にとって、大きな前進となる。
ローマ教皇庁(ヴァチカン)が発表した「宣言」では、司祭は特定の状況において、同性カップルや「変則的」なカップルにも祝福を与えることが許されるとした。
一方で、こうした祝福が通常の教会儀式の一部として行われたり、市民パートナーシップや結婚式と結びつけてはならないとしている。
また、婚姻を男女間のものとする教義は、維持するとした。
教皇は18日にこのヴァチカン文書を承認。ヴァチカンは、この宣言は「神はすべての人を受け入れる」というしるしだと述べた。ただし文書では、司祭は祝福の可否をケースバイケースで決めるべきだとしている。
教理省長官を務めるビクトル・マヌエル・フェルナンデス大司教は、この宣言は「婚姻に関する教会の伝統的な義を固持するもの」だと述べた。
そのうえで、カトリック教会の魅力を「広げる」という教皇の「司祭としてのビジョン」のなか、新たなガイドラインによって、なお罪深いとされている関係にも祝福が与えられるようになると語った。
宣言は、祝福を受ける人々は「事前に道徳的な完全性を要求されるべきではない」としている。
カトリック教会における祝福は、通常は司祭によって行われ、対象となる人や人々を温かく見守ってくださいと、神に祈ったり嘆願したりする。
フェルナンデス長官は、この宣言は、カトリック教会での同性カップルの地位を認めるものではないと強調している。
カトリック教会は同性愛に対する態度を和らげつつあるが、立場は変えていない。教皇は2021年、カトリック教会は同性婚を祝福することはできないとの公式見解を示した。
一方で今年10月には、カトリック教会で同性カップルを祝福することに前向きな姿勢を示した。
ベルギーやドイツを含む多くの国では、司祭が同性カップルを祝福することを、各地の司教が認め始めている。だが、教会幹部の姿勢は、これまで不明確だった。