アフガニスタンで強い地震 死者920人以上と現地当局

動画説明, 負傷者はヘリコプターで病院に搬送された

アフガニスタン南東部で22日未明、強い地震が発生し、少なくとも920人が死亡、数百人が負傷した。同国で実権を握るタリバン当局が発表した。

地震は現地時間午前1時30分(日本時間午前6時)過ぎに発生。多くの人が就寝中だった。

震源は南東部ホスト州の州都ホストから約44キロの地点とされる。地震学者によると、震源の深さは約51キロで、地震の規模を示すマグニチュードは6.1だった。

写真からは、隣接するパクティカ州で地滑りが発生し、泥造りの家屋が破壊されたことがわかる。同州には、負傷者の治療のため救助隊が急行している。

防災担当のシャラフディン・ムスリム副大臣は記者会見で、死者は少なくとも920人、負傷者は600人に上っていると述べた。

タリバン指導者のハイバトゥラ・アクンザダ氏によると、何百もの家屋が破壊されており、死者数はさらに増える見通しだという。

地震への備えが貧弱

アフガニスタンは、不安定で造りの悪い家屋がみられる農村部が多いため、地震が起こると被害が大きくなりやすい。

タリバン当局は救援機関に、被災地に急行するよう指示した。

遠隔地では、負傷者らをヘリコプターで病院へ運んでいるという。

アフガニスタンは、紛争が数十年にわたって続いており、国として貧困状態にある。そのため、地震などの自然災害に対する備えを強化できてない。

タリバンに支配される以前から、救急当局は自然災害の対応に苦慮してきた。使用可能な航空機やヘリコプターはほとんどない状態が続いている。

Destroyed homes and buildings in the Gayan District in Paktika

画像提供, @Alham24992157

画像説明, パクティカ州ガヤン地区の被害家屋
Destroyed buildings

画像提供, Afghanistan Information Service

画像説明, 破壊された建物が見える

現地の医師はBBCに、これまでのところ犠牲者は、パクティカ州のガヤン、バルマル両地区に集中していると話した。現地メディアは、ガヤン地区にある1つの村が完全に破壊されたと伝えた。

地震の揺れは、震源から500キロ以上離れたアフガニスタン、パキスタン、インドの各地で感じられた。アフガニスタンの首都カブールや、パキスタンの首都イスラマバードでも揺れを感じたとの証言もある。

BBCウルドゥー語によると、パキスタンでは死者は報告されておらず、被害もほとんどなかった。

アフガニスタンは、断層が多く、地殻変動が激しい地域に位置しており、地震が発生しやすいとされる。

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、アフガニスタンでは過去10年間で7000人以上が地震で死亡している。年平均では560人が地震で死亡している。

Map
画像説明, 震源(Epicentre of quake)はアフガニスタン(AFGHANISTAN)南東部ホスト(Khost)市から44キロの地点とされる