韓国、朴前大統領に恩赦 収賄罪などで服役中

Park Geun-hye

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画像説明, 朴槿恵(パク・クネ)前大統領は懲役22年の実刑に服していた

韓国政府は24日、収賄などの罪で懲役22年の実刑が確定し服役中の朴槿恵(パク・クネ)前大統領(69)を31日付で赦免すると発表した。

聯合通信によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領による新年の特別恩赦の対象者に朴前大統領が含まれたのは、健康状態の悪化などを考慮しての決定だという。

前大統領は今年に入り、慢性的な肩の疾患や椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどのため、3回入院を重ねていた。

文大統領はこれまで、朴前大統領は赦免しないと話していたため、今回の発表は予想外だという声も出ている。

朴前大統領については、側近の収賄疑惑などを機に大々的な辞任要求デモが国内で続き、2016年12月に韓国国会で弾劾(だんがい)訴追案が可決された。民主的に選ばれた韓国大統領として初めて、2017年3月に弾劾訴追により罷免(ひめん)された。同月31日、収賄などの疑いで韓国検察に逮捕された。

最大財閥サムスングループや情報機関・国家情報院などから巨額の賄賂を受け取ったなどとして、第一審では懲役30年と200億ウォンの罰金刑を言い渡された。今年1月までに合わせて懲役22年(汚職罪で懲役15年、権力乱用罪で同5年)の実刑判決が確定し、服役していた。量刑には、2016年総選挙の際の公職選挙法違反に対する懲役2年も含まれる。

事件は韓国の政界トップと大財閥の密接なつながりを露呈し、政府トップの腐敗一掃を約束した文在寅大統領が就任するきっかけにもなったと、BBCのソウル特派員、ローラ・ビッカー記者は指摘する。