コアラ数十頭を殺害か 豪地主らを動物虐罪で訴追

A koala bear

画像提供, Getty Images

画像説明, コアラはヴィクトリア州の保護種に指定されている

豪ヴィクトリア州の木材プランテーションで昨年、数十頭のコアラが死んでいるのが見つかった。規制当局は22日、地主と土木事業者らを動物虐待の罪で訴追した。

コアラ数十頭が死んでいるのが見つかったのは、ヴィクトリア州ケープ・ブリッジウォーターの、一部が伐採された木材プランテーション。死んだコアラのほかに、脱水症状やけがを負ったコアラも発見されたが、その後、安楽死させられた。

この件で、伐採作業中にコアラに危害を加え、死なせたとして、地主と土木事業者がそれぞれ126件の罪で訴追された。別の請負業者も、コアラの生息に害を及ぼしたとして1件の動物虐待の罪に問われている。

地主らの罪状認否はまだ行われていない。

ヴィクトリア州の環境保護規制当局は被告の名前を明らかにしていない。

BBCのシャイマ・ハリル・オーストラリア特派員によると、動物虐待で有罪となった場合は、1件につき多額の罰金あるいは最大1年の禁錮刑が科される可能性がある。

推定200頭に影響か

このプランテーションでは、コアラの重要な生息場所を形成していたユーカリの木々が伐採され、わずかに点在する程度になっていた。

残った木々の中で、コアラが餓死していた。ブルドーザーにひかれて死んだとみられるコアラもいた。

同国の公共放送オーストラリア放送協会(ABC)によると、死んでいたコアラは21頭に上った。ほかにに49頭が安楽死させられた。

当局は、推定200頭のコアラが影響を受けたとしている。

コアラはヴィクトリア州の保護種に指定されている。

地元住民の思い

死んだコアラを偶然見つけた地元住民のヘレン・オークリーさんは、すすり泣きながらこの出来事を伝える動画を投稿した。それが当局による捜査へとつながった。

オークリーさんはABCの取材に対し、長い時間を経てようやく訴追がなされたことを「とても喜んでいる」と語った。

「私はいまでも毎日、あのコアラのことを考えています」