南北通信連絡線、2カ月ぶりに再開=韓国統一省

Kim Jong--un

画像提供, Getty Images

北朝鮮は4日午前、米韓合同軍事演習への抗議として8月から中断していた韓国との通信連絡線を再開させた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は先月末、韓国が態度を変化させることを条件に連絡線を復旧させる可能性を示していた

韓国統一省は4日午前9時に南北通信連絡線が再開し、南北の当局者同士が2カ月ぶりに電話でやりとりを交わしたと明らかにした。

同省は声明で、「南北通信連絡線が再開した。韓国政府は南北関係回復のための基盤ができたと評価している」と説明した。

金総書記は先月29日、最高人民会議(国会に相当)での演説で、10月初めに連絡線を復旧させる意向を明らかにしていた。ただ、「南朝鮮当局の態度いかんにかかっている」との条件付きだった。

北朝鮮はここ1カ月足らずの間に4度のミサイル発射実験を行っており、同国が兵器開発のスピードを緩めるつもりがないのは明らかだという見方が広まっている。

動画説明, なぜ北朝鮮はミサイル実験を繰り返すのか

南北の通信ホットラインは過去数年間で度々、断絶と復旧を繰り返してきた。

北朝鮮は南北首脳会談が失敗に終わった後の2020年、双方の連絡を改善するために南北軍事境界線沿いの北朝鮮・開城に建設されていた南北共同連絡事務所を爆破した。

同年、北朝鮮は南北の緊張の高まりを受け、南北首脳間のホットラインや軍の通信手段を含む、すべての通信線を切断した。

ホットラインは今年8月に一時的に再開したものの、韓国がアメリカとの合同軍事演習に参加した後、再び途絶えた。

朝鮮戦争は1953年に休戦となったが、平和条約は締結されていないため、南北は形式上は戦争状態にある。