北朝鮮、中国製ワクチン300万回分の受け取りを拒否=ユニセフ
国連児童基金(ユニセフ)は1日、北朝鮮が中国製の新型コロナウイルスワクチン約300万回分の受け取りを拒否したと明らかにした。北朝鮮は世界的なワクチン不足を考慮し、感染状況がより深刻な国にワクチンを回すよう求めたという。
中国製ワクチン「シノヴァク」は、貧困国のワクチン確保を支援する国際的な接種事業「COVAX」を通じて、北朝鮮への提供が伝えられた。
世界保健機関(WHO)によると、北朝鮮は8月19日時点で、それまでに新型ウイルス感染症COVID-19の症例は1件も確認されていないとしている。
WHOの1週間ごとの状況報告書によると、北朝鮮の医療従事者やインフルエンザに似た症状が出ている人など3万7291人についてウイルス検査を実施したところ、全員が陰性だった。
秘密主義で知られるこの国は、新型ウイルスのパンデミックの発生当初から厳しい感染対策を導入した。昨年1月には、いち早く国境を封鎖した。
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北朝鮮がワクチンの受け取りを拒否したのは今回が初めてではない。7月には英アストラゼネカ製ワクチン約200万回分について、副反応への懸念から受け取りを拒否したと、韓国の情報機関、国家情報院系のシンクタンク、国家安保戦略研究所が明らかにした。
ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相も7月、記者団に対し、北朝鮮にロシア製ワクチン「スプートニク」の提供を複数回申し出たと述べた。
北朝鮮は新型ウイルスワクチンの効果に疑問を呈しており、同国国営メディアはアメリカや欧州での副反応事例を頻繁に報じている。