松山英樹、マスターズを1打差で制覇　日本男子初のメジャー優勝

2021年4月12日

アレックス・バイサウス、BBCスポーツ

Hideki Matsuyama — 画像説明, マスターズ優勝を決めグリーンジャケットを着た松山英樹（右）

ゴルフのマスターズ・トーナメントは11日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC（パー72）で最終日があり、松山英樹（29）が1打差で優勝した。4大メジャー大会を日本男子が制覇したのは初めて。

世界ランキング25位の松山はこの日、4打差の首位でスタートした。神経がすり減るような場面もあったが、1オーバーの73で回り、通算10アンダーで勝利をつかんだ。

2位には、マスターズ初出場のウィル・ザラトリス（アメリカ、24）が通算9アンダーで入った。

松山と一緒にプレーしたザンダー・シャウフェレ（アメリカ）は、15番ホールでバーディーを奪い、松山に2打差に迫った。しかし16番で、勝負に出たティーショットを池に落とし、このホール6打とトリプルボギーをたたいて後退。

シャウフェレは結局、通算7アンダーで大会を終え、2015年の優勝者ジョーダン・スピース（アメリカ）と共に3位となった。

世界ランキング3位のジョン・ラーム（スペイン）は最終日、66で回り、通算6アンダーでフィニッシュ。マーク・リーシュマン（オーストラリア）と一緒の5位タイに入った。

英イングランドのジャスティン・ローズは2日間をトップで回ったが、最終ラウンドは2オーバーで後退し、通算5アンダーで大会を終えた。

英スコットランドのロバート・マッキンタイアは、初出場で通算2アンダーの12位タイとなり、活躍を印象づけた。また、来年のマスターズの出場権を獲得した。

日本男子初のメジャー制覇

松山は2011年、マスターズに初出場。アマチュアの中で最上位の選手に贈られるシルバー・カップを手にした。

それから10年目となる今大会で、マスターズを初制覇。日本でも大きなニュースとなっている。

メジャー大会で活躍した日本人としては、1977年に全米女子プロゴルフ協会（LGPA）選手権で優勝した樋口久子や、2019年の全英女子オープンを制した渋野日向子がよく知られる。だが男子選手で優勝争いに絡んだのは、1980年の全米オープンで準優勝した青木功が最後だった。

松山は優勝後のインタビューで、「本当にうれしい」と喜び、「朝からずっと緊張していて、最後まで緊張しっぱなしで終わりました」と述べた。

また、友人や家族のことをずっと思っていたとし、「本当にいいプレーを見せられてよかったなと思います」と語った。さらに、「僕が勝ったことによってこれから先、日本人が変わっていくんじゃないかなと思った。それに、僕がもっともっと勝てるように頑張りたいなと思います」と話した。

3日目に驚異的スコア

松山は前日10日の大会3日目に、優勝へと大きく近づいた。この日は悪天候によってプレーが約1時間中断されたが、松山はその間、自らの車の中で携帯電話のゲームをして過ごした。コースに戻ると、残っていた8ホールを6アンダーで回り、驚異的な65を記録した。

最終日の11日は、最初のホールでドライバーを木々の間に打ち込みボギーとするなど、序盤で緊張が見られた。一方、ザラトリスは出だしで2連続バーディーを決め、松山との差を縮めた。

しかし松山も2番ホールでバーディーを取り、3番と5番は頭脳的なプレーでパーをセーブ。8番と9番を連続でバーディーとし、前半9ホールを終えた。

後半に入ると、ザラトリスは10番と12番でスコアを落とし、松山のリードは6打に広がった。

2017年以降、米男子PGAツアーの勝利がない松山は、パー3の12番でボギーとした。だが13番では、それたショットがアザレアの木に当たってラフに戻る幸運に恵まれ、バーディーを獲得した。

一緒に回ったシャウフェレは、序盤でスコアを4打落として後退していたが、12番から4連続バーディーを決め、一気に松山にプレッシャーをかけた。一方、松山はパー5の15番で2打目がグリーンをオーバーし、16番の池の中に。ドロップでプレーを再開し、このホールはボギーとなり、シャウフェレとの差は2打に縮まった。