職安とは?ハローワークとは違う?受けられるサービスや利用の流れ、メリットも紹介!

職安とは?ハローワークとは違う?受けられるサービスや利用の流れ、メリットも紹介!

職安とは何をするところなのか、すぐに説明できる人は意外に少ないかもしれません。
また、ハローワークという言葉を聞いた時に、職安とは別物だと思う人もいるようです。
今回の記事では、職安で受けられるサービスや利用方法の流れについて紹介します。
求職中の人に知っておいてほしい職安を利用するメリットについても詳しく解説します。
仕事を探していて、職安の利用を考えている人はぜひ参考にしてみてください。

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職安とは

職安とは

 

職安とは「公共職業安定所」の略称で、国が運営している総合的雇用サービス機関です。厚生労働省が管轄していて、求職者の就業支援や企業側の雇用促進を目的とする行政機関です。

全国に拠点があり、職業訓練や雇用保険の手続きといったさまざまな就労支援を無料で受けることができます。

ハローワークとの違いは?

職安は誰でも利用できる公共施設ですが、昔からあまり気軽に利用できるというイメージが定着していなかったようです。

そこで、平成の初めに地域住民に親しまれる機関になるようにと公募された愛称が「ハローワーク」です。

つまり、ハローワークと職安は、呼び方が違うだけで、同じ施設のことを表す言葉です。
現状では、ハローワークと言う人もいれば、職安と言う人もいます。

職安の利用時間

職安の開庁時間は原則として、平日の8時30分~17時15分です。

利用や手続きには時間がかかることもあり、職業相談・紹介におすすめの利用時間帯は9時~17時です。また、雇用保険の手続きでは、おおむね16時までに窓口に行きましょう。

初めての来庁時や、雇用保険の手続きでは時間がかかることもあるため、余裕を持って利用しましょう。

また、一部の施設では、平日夜間や土日の利用が可能です。時間外では雇用保険の手続きはできませんが、利用時間を延長する施設も近年では増えています。

職安(公共職業安定所)が提供しているサービス

職安(公共職業安定所)が提供しているサービス

 

ここで、職安が提供している就職活動を支援するためのサービスとその内容について解説します。

職安では、職業相談のほか、求人紹介や職業訓練の斡旋など、さまざまなサービスを無料で受けることができます。

職業相談

職安の窓口では、求職者からの個別の職業相談も受け付けています。
相談は、予約不要で、誰でも無料で利用することが出来ます。

職務経歴がなくて不安な人や、仕事選びに悩んでいる人は、窓口の担当者に相談してみましょう。
初歩的なアドバイスやハローワーク適職診断を使った自己分析による職業の提案、希望に沿った求人を紹介してもらうことも出来ます。

就職活動で不安なことや分からないことは、相談員に質問して解決すると良いでしょう。

求人紹介

職安では求人の紹介を受けることが出来ます。

流れとしては、職安に設置されているパソコン端末で求人情報を検索して、応募したい仕事が見つかったら、窓口の職員に相談します。
職安で扱っている求人に応募する際は必ず窓口を通す必要があるため、企業へ確認したいことも、まず職安へ問い合わせることになります。

そして、応募することが決まったら、窓口で紹介状を発行してもらいましょう。本人確認のため、紹介状は選考時に応募先企業へ提出します。
紹介状には応募者情報や選考方法などが記載されています。

また、紹介状には書類選考後面接と書かれていても、即日面接ということもあるので注意が必要です。

職業訓練(ハロートレーニング)

一般的に、就活のために資格やスキルを身につけるなら、セミナーに参加したり、講座や専門学校などで学ぶ必要があります。しかし、こうしたスキルアップにはお金がかかるため、求職活動をしながらでは出費もかさみます。

そこで、条件に該当する人であれば誰でも無料で、職業訓練を受けられる制度があります。職安では、就職やスキルアップにつなげるために、資格の取得や知識などを習得することができる職業訓練の斡旋を受けることが出来ます。

職業訓練には、雇用保険を受給している人向けの公共職業訓練と、それ以外の人向けの求職者支援訓練の2種類があります。

パソコンやITに関する講座や電気工事関係、ネイルアート、簿記やFPの資格取得などさまざまな職業訓練講座が用意されています。
職業訓練に興味のある人は詳しい受講条件や内容について、職安の窓口で確認しましょう。

選考対策サポート

職安では、履歴書や職務経歴書といった応募書類の作成サポートや面接対策なども行っています。

学歴や職歴の正しい記入方法や志望動機の書き方といった細かい部分までサポートを受けられるので、応募書類のクオリティが上がります。また、無料で応募書類などの作成方法をまとめたパンフレットももらえるので、内定を取るためのポイントや注意点についても参考にできるでしょう。

書き終えた応募書類は、提出する前に職安の窓口やセミナー講師に最終チェックをしてもらいましょう。

職安では面接対策として、企業から面接でどのような質問をされることが多いのか、どう答えたら良いのかといった相談もできます。
面接の前には職員がマンツーマン指導で、服装のチェックや面接練習もしてくれるので、安心して本番に臨めるでしょう。

雇用保険(失業保険)の手続き

職安では、失業中に受給できる雇用保険の手当(失業保険)の申請も行うことが出来ます。
申請についてはインターネットで手続きが出来ないため、所轄の職安の窓口へ行く必要があります。

雇用保険の手当が受けられれば、失業中でも生活の心配をせずに転職活動が進められるでしょう。
解雇や倒産など、会社都合で失業した人は一週間程度で受給できるため、離職後は早めに申請しましょう。

ただし、自己都合による退職では、手当を受け取るまでに2ヶ月程度はかかるため注意が必要です。離職理由や雇用保険の加入期間により受給の内容も変わりますので、そういった内容を窓口で相談してもよいでしょう。

専門的な相談

職安では求職者の状況にあわせて、専門的な相談ができる窓口も設置されています。

専門の窓口としては、下記に挙げるようなものがあります。
どのような人向けの窓口で、どういった相談が出来るかそれぞれ紹介します。

新卒応援ハローワーク

新卒応援ハローワークは、卒業後に就職したい学生と卒業後おおむね3年の既卒者を対象としています。

支援内容としては、就職相談や選考対策の指導、就活セミナーの開催や参加への斡旋など、新卒向けの求人情報の提供を行っています。

また、就職支援をサポートするナビゲーターが担当者ごとに個別対応して、お悩み相談なども受け付けています。

わかものハローワーク

わかものハローワークは、おおむね35歳未満で、正社員での就職を目指す若者を対象にした職安の専門窓口です。

こちらの窓口も、早期の就職ができるよう専門の職員である就職支援ナビゲーターが個別に、職業相談や応募書類の添削、適職の紹介を行っています。

希望者には、職業訓練から職場見学まで一貫してサポートしたり、就職後の職場への定着支援も実施しています。

マザーズハローワーク

マザーズハローワークやマザーズコーナーは、子育て世代や、子育てが落ち着いたものの職歴にブランクがある人を対象とした就職活動を支援する職安のサービスです。

施設にはキッズコーナーの設置や相談スペースでベビーカーの置ける場所が確保されているなど、小さい子ども連れでも安心して職業相談が出来るように配慮されています。

求人紹介では、子育てと仕事を両立できるように勤務時間などの条件を重視するほか、保育施設や子育て支援サービスの紹介や相談も出来ます。

就職氷河期世代窓口

就職氷河期時代専門窓口は、バブル経済が崩壊した1993年~2005年頃に就活を行い、正規雇用での就職が出来なかった人を対象としたサービスです。

こちらでは就職氷河期世代に詳しい専門の担当者による面接対策や書類作成のアドバイスを行うほか、職安が主催する就活セミナーなどへの参加を勧めています。

また、採用された職場で安定して長く働けるように、就職後のアフターサポートも行っています。

生涯現役支援窓口

生涯現役支援窓口は、55歳以上の方を対象とした再就職支援窓口で、特に65才以上の方の再就職支援に力を入れています。

近年では少子高齢化が進み、それに伴い労働人口は減少しています。
そのため、働きたい高齢者を積極的に雇用したいという企業も増えています。

こうした流れを政府も後押しする形で、生涯現役支援窓口のサービスが始まりました。
定年退職後に再就職したいと思っている高齢の方と、高齢でも経験豊富な人材を求める企業とをマッチングさせる役割を担っています。

ふるさとハローワーク

ふるさとハローワークは、職安がない市町村で、職業相談や職業紹介などを行う機関です。
地域職業相談室とも呼ばれていて、市町村と国が共同で運営しており、誰でも無料で利用できます。

地方に住んでいて職安が遠い、という人は、自分が住んでいる地域にふるさとハローワークがないか確認すると良いでしょう。
ただし、求職活動実績を積むことは可能ですが、失業保険の手続きや認定日には所轄の職安へ行く必要があるため注意が必要です。

地方就職支援コーナー

地方就職支援コーナーは、東京に1箇所(ハローワーク飯田橋)と、大阪に1箇所(ハローワークプラザ難波)だけ設置されている専門窓口です。

こちらの窓口では、東京や大阪といった大都市に住んでいて、地方への就職を希望している人を支援するサービスを行っています。
地方就職でU・I・Jターンを考えている人への職業相談・職業紹介や全国の求人情報の提供だけでなく、農業・林業・漁業に就職したい人に向けた研修やイベントなども実施しています。

職安利用時の流れと持ち物や服装

職安利用時の流れと持ち物や服装

 

職安は誰でも無料で利用できますが、利用方法がよくわからない、という人は多いかもしれません。
しかし、受付の流れや基本的なことを押さえておけば難しいことはありません。

ここで、職安利用の流れ、行く際に必要な持ち物や服装について解説します。

仕事を探すとき

職安にある端末から求人情報を確認して仕事を探したい、という時の基本的な流れや持ち物は以下の通りです。

基本的な流れ

一般的な利用の流れは以下の通りです。

  • 求職の申し込みを行う
  • 職安のパソコンで求人を探す
  • 見つけた求人について窓口で相談する
  • 応募した企業の面接を受ける

初めて職安に行ったら、まず求職申込みの手続きを行います。
方法としては、求職申込書に必要事項を記入するか、登録用の端末に求職情報を入力します。自宅のパソコン等のインターネット環境から事前に仮登録をしておくことも可能です。

職員が申込み内容を確認して、希望があれば求職者マイページを開設します。

利用登録が完了すると、ハローワーク受付票(ハローワークカード)が発行されます。
以降ハローワークを利用する際には、ハローワーク受付票を提示すれば、気になる求人について相談をしたり、応募したりといったステップに進むことが出来ます。

持ち物・服装

ここで、職安に行く際に必要な持ち物や、おすすめの服装について解説します。
持ち物については以下の通りです。

  • 筆記用具、メモ帳
  • 履歴書・職務経歴書

これらは必須というわけではありませんが、持っていた方が便利です。
履歴書や職務経歴書については、初回の求職登録するときに資料として持参しておくと良いでしょう。

服装については普段着でも問題は無いですが、良い印象を与えるためにも奇抜なものは控えて、清潔感のある服装を心がけましょう。

窓口で面接練習をしたい人や、求人への応募を考えている人はすぐに面接に対応できるように、本番同様にスーツを着ていくのがおすすめです。

雇用保険(失業保険)の手続きをするとき

雇用保険(失業保険)を受け取るための手続きでの基本的な流れや持ち物などについて解説します。
仕事探しの時よりも、準備する必要書類が多いため注意が必要です。

基本的な流れ

雇用保険の受給手続きを行う際の基本的な流れは以下の通りです。

  • 必要書類を持参し、求職の申し込みを行う
  • 失業認定を受ける
  • 待機する
  • 失業認定日と雇用保険受給説明会に職安へ行く
  • 以降は4週間に1回程度、失業認定日に職安へ行く

雇用保険の受給に必要な書類は、離職前に準備をしておく必要があります。
また、受給の申し込み手続きについては、自分の住んでいる地域の所轄の職安で行う必要があります。

そして、必要書類、持ち物をすべて準備したら、窓口で求職申し込みを行います。その後、一週間程度待機したのち、雇用保険制度についての説明を受けてから、雇用保険受給資格者証失業認定申告書を受け取り、第1回の失業認定日を確認します。

上記の手続き以降は、4週間に1度の認定日の間の期間に求職活動実績を積めば、認定日から1週間後程度で雇用保険が給付されます。

詳しい手続きの方法について知りたい方は「失業保険手続きの流れと受給要件・もらい方とは?手続きを忘れたらどうする?」の記事を参考にしてみてください。

持ち物・服装

ここで、失業保険の受給の手続きの際に必要な持ち物、服装について解説します。

  • 雇用保険被保険者離職票(1と2)
  • 個人番号(マイナンバー)確認書類
  • 身元確認書類
  • 写真2枚
  • 印鑑
  • 本人名義の普通預金通帳
  • 求職申込書

雇用保険被保険者離職票については、在籍していた会社に発行してもらう書類になります。
身元確認書類としては、顔写真入りの公的な証明書が必要です。免許証やパスポートを準備しておきましょう。
また、写真は、正面上半身、縦3.0cm × 横2.5cmのものが必要です。

求職申込書は職安の窓口にもあるため、手元に無ければそのままで問題ありません。
手続きに行く際の服装は、普段着でも問題ありません。

職安を利用するメリット・デメリット

ここで職安を利用するメリットとしては何があるのか、またデメリットについていくつか紹介します。
無料で利用できる職安ですが、メリットやデメリットを知っておくことで、より上手に活用できるでしょう。

メリット

職安を利用する上でのメリットは大きく分けて以下の3点が挙げられます。

  • 無料で利用できる
  • 地元企業への就職に強い
  • 求人数が多い

職安は国が運営しているため、働ける状態で仕事を探している人なら、雇用保険の加入有無も問わず誰でも無料で利用できるというのが大きなメリットです。

そして職安の求人には、周辺地域の企業が多いという傾向があります。
そのため、地元の企業や近隣の地域で仕事がしたいという人は職安を利用して就職活動をしましょう。

また、職安は、雇用の安定を図るための公共機関であることから、求人情報の掲載に手数料がかかりません。そのため、他の求人情報誌などの媒体より求人数が多いという特徴があります。求人数が多いということは、掲載されている仕事の幅も広いため、多くの業種の中から本当に自分に合う仕事を探したい、という人にもおすすめです。

デメリット

職安は無料で利用できて、国が運営しているから全てが安心、とは言い切れません。
ここで注意しておきたい、職安を利用する際のデメリットについても解説します。

  • 企業の質にバラつきがある
  • 平日日中の活動が中心になる

職安には無料で求人情報が掲載できるため、多くの企業の求人情報が集まるという一方で、どんな企業でも掲載できてしまうことから、企業の質にはバラつきが出てしまうというデメリットがあります。

また、求人票の情報だけでは企業体質がわかりにくいため、うっかりブラック企業に就職してしまうという恐れも。
もちろん、ブラック企業に就職をしてしまっても、職安の窓口で相談して対処してもらうことはできますが、退職せざるを得なくなれば職歴に傷がついてしまうリスクもあります。

また、施設の開庁時間が基本的に平日の日中が中心のため、働きながら転職活動をしたいという人には少し利用しづらいかもしれません。

まとめ:職安は求人を探すだけじゃない!さまざまなサービスを上手く活用して就職しよう

今回の記事では、職安の利用方法や雇用保険の手続き、利用する上でのメリットやデメリットについて解説しました。
職安は基本的に誰でも無料で利用できるため、応募書類の添削や面接対策といった求職活動のサポートや、職業訓練の紹介を受けると良いでしょう。
就職活動では、自分が興味のある仕事を探すことが大切です。
バイトルNEXTでは、職場の雰囲気や働き方のスタイルなど、ハローワークよりも簡単に、より細かい条件で求人検索が出来ます。
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