2024.04.24

タクシー運転手になるには?ドライバーデビューまでの流れをご紹介

タクシー運転手になるには?ドライバーデビューまでの流れをご紹介

「タクシー運転手になりたいけど未経験でも大丈夫?」「タクシー運転手になるにはどうすればいい?」と、悩んでいる人も多いでしょう。

なり手が不足しているタクシー業界では、未経験者にやさしいさまざまな支援が実施されています。せっかくなら、支援を受けながらスムーズな手順でタクシー運転手を目指したいですよね。

この記事では、第二種免許をこれから取得する人に向けたタクシー運転手になるためのステップや、タクシー会社の選び方を解説します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

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タクシー運転手になるために必要な資格・条件

タクシー運転手の仕事は、お客さまをタクシーに乗せて目的地に送り届けることです。そのため、普通自動車第二種運転免許の取得や地理試験の合格が必要です。ここからは、それぞれの資格・条件について詳しく解説します。

普通自動車第二種運転免許の取得

馴染みのある「普通自動車第一種運転免許」は、自家用車を運転するために必要な免許です。すでに教習所に通い、取得済の人も多いでしょう。一方、タクシー運転手に必要なのは「普通自動車第二種運転免許」です。

  • ●一種…自分の車を運転するために必要な免許
  • ●二種…タクシーやバスなど営利目的で運転するために必要な免許

タクシーのように、お客さまからお金をもらい「旅客自動車」として運転する場合には、普通自動車第二種運転免許の取得が必要となります。

普通自動車第二種運転免許の受験資格

普通自動車第二種運転免許を取得するためには、以下のような条件をクリアする必要があります。

  • ●普通自動車免許取得から3年以上経過している
  • ●年齢が満21歳以上

上記の条件をクリアした人は、自動車教習所に通い技能卒業検定にチャレンジします。そのほか、第二種免許を取得するためには、下記のような適性検査も必要です。

  • ●視力…片眼0.5以上、両眼0.8以上
  • ●深視力…深視力検査の誤差2cm以下
  • ●色彩識別能力…赤・青・黄の3色を識別
  • ●聴力…10mの距離で90デシベルの警報音が聞こえる

なお、視力は眼鏡やコンタクトレンズで矯正可能、聴力は補聴器の使用が可能です。

21歳以下の人朗報!第二種免許の受験資格年齢引き下げの特例開始

上記で紹介したとおり、普通自動車第二種運転免許の取得年齢は満21歳以上ですが、2022年に受験資格年齢の引き下げ特例が開始されました。

取得要件が特例で緩和されたことにより、取得年齢は19歳以上、普通免許取得から1年で試験を受けられるようになりました。

受験資格 年齢要件 経験年数要件
通常 21歳以上 普通免許取得から3年以上
特例 19歳以上 普通免許取得から1年以上

また、特例の適用を受ける場合には受験資格特例教習を受ける必要があります。

●「年齢要件」を19歳以上に引き下げる特例を受けるためには…

旅客自動車等の運転に必要な適性(自己制御能力)に関し、座学や実車を含む7時限以上の教習を受ける必要がある。

●「経験年数要件」を普通免許取得から1年以上に引き下げる特例を受けるためには…

旅客自動車等の運転に必要な技能(危険予測・回避能力)に関し、座学や実車を含む29時限以上の教習を受ける必要がある。

参考:警察庁 第二種免許等の受験資格の見直しについて

地理試験の合格(東京都・神奈川県・大阪府の一部エリアのみ)

東京都・神奈川県・大阪府の一部エリアでは、タクシー運転手になるために、普通自動車第二種運転免許の取得と合わせて「地理試験」の合格も必要です。

地理試験とは「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」のことで、以下の2科目の合格を目指します。

  • ●指定のエリアに関する地理に関する内容
  • ●タクシー事業に係る法令、安全及び接遇

お客さまを目的地に迅速かつ安全に送り届けるための知識として、主要幹線道路や主要施設、乗車地から降車地までの道筋などを問われます。そのほか、運転に必要不可欠な道路運送法や事故発生時の措置に関する内容などが出題されます。

地理試験の合格が必須なのは、以下のエリアのみです。

東京都 東京23区/武蔵野市/三鷹市
神奈川県 横浜市/川崎市/横須賀市/三浦市
大阪府 大阪市/池田市/箕面市/茨木市/高槻市/摂津市/島本町/豊中市/吹田市/東大阪市/八尾市/守口市/門真市/堺市/高石市/泉大津市/和泉市/忠岡町

地理に関する科目と法令に関する科目、どちらか1科目のみ合格点に達した場合には科目合格通知が発行されるので、次の受験の際は一度合格した方の科目の試験を免除することができます。

なお、地理試験は各地のタクシーセンターで受験可能です。試験日は毎週何曜日、とあらかじめ決められている場合もあるので、計画性を持ち受験に向けての準備をする必要があります。

ドライバー未経験向け!タクシー運転手になるための手順を5STEPでご紹介

ここまで、タクシー運転手になるために必要な資格と条件をお伝えしてきました。

タクシー運転手になる方法として、自分で第二種免許の取得や地理試験の勉強を進めようと考えている方もいるかもしれません。ですが、自己流で進めると時間や費用が多くかかってしまう可能性があります。

ここからはドライバー未経験におすすめしたい、より早く、なるべくお金をかけずにタクシー運転手になるための手順を5つのSTEPに分けてご紹介します。

STEP1.第二種免許取得制度が整っているタクシー会社への応募・入社

普通自動車第二種運転免許は、運転免許試験場での「一発試験」が可能です。とはいえ、試験の難易度は高く合格率は約10%と難度が高いため、やはり教習所で学んだうえで試験に臨むのが一番といえるでしょう。

そこでおすすめなのが、普通自動車第二種運転免許取得のスキルアップサポート・金銭的サポートのあるタクシー会社への応募です。「第二種免許を持ってないのにタクシー会社に入社できるんだ!」と思った方も多いのではないでしょうか。

タクシー会社に入社してから第二種免許の取得を目指せば、金銭的な援助を受けられるだけではなくタクシー運転手デビューまでの流れもスムーズになります。

例えば、以下のような支援を受けられる場合があります。

  • ●免許取得費用や、地理試験の受験費用を会社が負担してくれる
  • ●資格取得までの研修期間中も、日給や交通費を支給してくれる
  • ●地理試験や運転スキルの習得サポートがある

普通自動車第二種運転免許を自己負担で取得しようとすると、通学で22万前後、合宿で19万前後の費用がかかります。

1回4万円前後で比較的安価な一発試験でも、難易度を考えると結果高額になるため、ドライバー未経験の場合はとくにタクシー会社選びが重要になります。

タクシー会社からの金銭的支援がある場合に注意すべきポイント

タクシー会社からの金銭的支援には、すべての費用を会社で負担してくれる「返済義務なし」の場合と、あくまでも貸与で「返済義務がある」場合があります。

なかには、その会社で1年以上勤務した場合は「返済免除」という契約が結ばれる場合もあるので、タクシー会社を選ぶ際は、支援制度の内容を十分確認しましょう。

STEP2.普通自動車第二種運転免許の取得

タクシー会社への応募・採用が決まったら、普通自動車第二種運転免許の取得に向けて準備を進めていきましょう。

一般的に、タクシー会社が提携する教習所に合宿形式で入校します。
合宿形式の場合、大まかな免許取得までの流れは以下です。

①教習所入校・適性検査
②第一段階:学科講習・技能講習
③第二段階:学科講習・技能講習
④技能の卒業試験を受け、卒業証明書交付→合宿を卒業
⑤免許試験場で筆記試験を受け、合格
⑥第二種免許発行

合宿形式の場合は、最短8~10日で「④技能の卒業試験を受け、卒業証明書交付」が完了します。学科試験も技能試験も普通自動車第一種運転免許と比較して難易度が高いため、何度か試験を受け直すごとに普通自動車第二種運転免許の取得の期間が長くなっていきます。

STEP3.地理試験の合格(東京・神奈川・大阪の一部エリアのみ)

普通自動車第二種免許を取得したら、地理試験の受験を開始します。東京都、神奈川県、大阪府の該当地域以外で勤務する場合は不要なため、次のステップに進みましょう。

地理試験は、各地にあるタクシーセンターで行われます。試験内容は、タクシー運転手に欠かせない運転技術や接客に関するものです。会社によっては、未経験でもチャレンジしやすいように、地理試験対策の研修が行われる場合があります。

STEP4.タクシー会社の研修を受ける

タクシー運転手として必要な資格がそろったら、現場に出るために運転や接客に関する研修を受けます。会社にもよりますが、おもに以下のような内容を学びます。

  • ●接客マナー
  • ●運転に関する法令
  • ●車内機器の使用方法
  • ●効率の良い営業方法
  • ●教習車での実技訓練

万が一のトラブルの対処法は、実例を踏まえてベテランタクシー運転手から教えてもらえます。実技訓練では、教育担当の社員に同乗してもらうことで現場に必要なノウハウを覚えられますよ。

STEP5.タクシー運転手としてデビューする

資格取得や必要な研修を終えたら、いよいよタクシー運転手としてデビューです。免許取得のサポートがある会社に入社した場合、入社から乗務デビューまでは最短で1ヶ月程度です。免許取得や地理試験の合格に時間がかかると長引いてしまうため、あくまで目安として考えておきましょう。

第二種免許を取得するまでの間はどう過ごす?給料は出る?

タクシー運転手に必要な資格を取得するまでは約1ヶ月。その間は、デビューまでの準備で大忙しです。

  • ●入社手続き
  • ●会社の健康診断
  • ●免許取得のための適性診断
  • ●免許取得のための合宿
  • ●地理試験の講習
  • ●社内研修
  • ●路上研修

なお、研修中でも入社していることに違いはないため、給料は担保されることが多いようです。待遇は会社によって異なりますが、日給制で1万円程度+交通費を支給したり、社宅を用意したりする会社もあります。デビューまでの期間、どのような待遇を受けられるのか事前に確認しておくと安心です。

タクシー会社を選ぶときのポイント

タクシー運転手を目指すなら、やはり手厚い支援がある場所、自分に合った場所を選びたいですよね。そこでここからは、タクシー会社を選ぶときのポイントを解説します。

自分に合った働き方ができるか

タクシー運転手の働き方は3パターン 昼日勤 夜日勤 隔日勤務

タクシー運転手の働き方は、基本的に3つのパターンに分けられます。自分に合った働き方ができるタクシー会社を選べるよう、基本の3パターンを把握しておきましょう。

  • ●昼日勤…朝から夕方までの乗務
  • ●夜日勤…夕方から翌深夜までの乗務
  • ●隔日(かくじつ)勤務…朝から翌深夜までの乗務

昼日勤は、一般的なサラリーマンと同じような働き方です。基本は週休2日制で夕方には帰宅できるため、家庭がある人や退勤後のプライベートを充実させたい人におすすめです。

一方、夜日勤は夕方からの勤務のため、朝が苦手な人にピッタリの働き方といえます。深夜までとなると、お酒に酔ったお客さまが多くなりトラブルが懸念されますが、深夜の割増料金で収入アップが期待できる点はうれしいポイントです。

隔日勤務は、タクシー運転手ならではの特別な勤務スタイルです。1回の勤務が14時間程度と長い代わりに、勤務明けは必ず「明け番」という休息を9~11時間ほど取ります。座りっぱなし&運転しっぱなしとなると、やはり大変なため体力がある人に向いている勤務といえるでしょう。

また、会社によっては働き方が選べなかったり、運転手の勤務はすべて隔日勤務と決まっていたりする場合もあるため注意が必要です。

タクシー運転手の仕事内容についてより詳しく知りたい方は以下をご覧ください!

自分に合った稼ぎ方ができるか

タクシー会社を選ぶときは、働き方はもちろん「自分に合った稼ぎ方ができるか」も重視したいですね。「タクシー運転手は働いた分だけ稼げる仕事」と考えている人も多いかもしれませんが、給与形態はさまざま。基本的に、以下の3種類に分けられます。

●A型賃金…固定給+歩合給+賞与

基本給にさまざまな手当を含んだ「固定給」が基本で、頑張りに応じた歩合給が合算される給与形態です。一般的なサラリーマンのように、基本給や賞与が保障されるため、安定的な働き方といえるでしょう。

固定給でしっかり収入が保証されるため、歩合率はやや低く設定されています。とはいえ、固定給の昇給を考えると、会社的にはリスクの高い給与形態です。そのため、近年ではこのような求人が少なくなっているのが現状です。

●B型賃金…完全歩合

働いた分だけ稼げる完全歩合制の給与形態です。基本給や決まった賞与がないため、やや不安定な働き方です。

しかしその分、歩合率が高く設定されており、営業収入と歩合率を掛けたものが自分の収入にあたります。体調不良などで働けないときは大変ですが、稼ぐコツを身に着けていくことで高給を狙うことも可能です。まさに夢のある働き方といえるでしょう。

●AB型賃金…歩合給+賞与

B型のような歩合制に合わせて、賞与が支給される給与形態です。賞与といっても、歩合の一部を積み立てるようなイメージです。こちらも基本給がないため、不安定なことに変わりはありません。しかし、年2~3回に分けてまとまったお金が支給されるため、貯金が苦手な人におすすめの働き方といえます。

AB型賃金は一番多い給与形態ですが、タクシー会社によって歩合率などの条件が異なる可能性があります。どのような賃金形態か、しっかり確認することが大切です。

稼ぎやすい営業エリアが含まれているか

歩合制の場合、担当する営業エリアが売り上げに直結するといっても過言ではありません。しかし、営業エリアは会社ごとに決まっており、違反は会社からの罰則につながります。希望するタクシー会社にはどのような営業エリアが含まれているか、事前に確認しておくことが大切です。稼ぎやすいエリアの特徴は以下のとおりです。

  • ●乗降者人数の多い駅がある
  • ●オフィス街がある
  • ●繁華街がある
  • ●高級住宅街がある
  • ●早朝から深夜まで営業している商業施設がある
  • ●渋滞しにくい

稼ぎやすいエリアの担当になれば、効率良く稼げるようになります。また、日々の負担を減らすため、自宅から通いやすい営業所を選ぶようにしたいですね。

タクシー運転手の平均年収については以下の記事でより詳しく解説しています。気になった方はご覧ください。

まとめ

タクシー運転手になるには、普通自動車第二種運転免許が必要です。また、働く場所によっては、地理試験の合格も必要不可欠です。

とはいえ、自分で免許を取得したり、試験対策を行ったりするのは簡単なことではありません。

まずはタクシー会社を決めて、資格取得の支援を受けながら運転手デビューを目指すのがおすすめです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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