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レトロインテリアとは?特徴や部屋づくりのポイント、実例も紹介

ほっこり心が落ち着くような、しみじみとした温かみある空気感で人気を集めるレトロインテリア。洗練されすぎていない独特の味わいがどこかポップで、ハイセンスなおしゃれさもあるのが魅力です。特に古い時代のカルチャーやファッションが好きなら、個性的でレトロな部屋には憧れますよね。

そこで今回は、レトロインテリアによる、素敵な部屋づくりの方法を徹底解説!家具や小物の取り入れ方や、賃貸でもできるアレンジ術など、詳しくご紹介していきます。

レトロインテリアとは?

「レトロ」とは、「懐古的」や「古いものを好む」といった意味があり、古きよき時代の流行や様式を指す言葉です。最近では「昭和レトロ」というようなワードも注目されており、昭和中期~後期頃のスタイルを示す場合も多くあります。

このことから、「レトロインテリア」は、平成よりも古い時代の家具や雑貨などを取り入れた、どこか懐かしさのあるデザイン性でまとめるのが基本です。またレトロと似たように、古いものを表す単語として、アンティークやヴィンテージなどがあります。ちなみに大体のニュアンスではありますが、アンティークは100年以上前に生産された、精巧な骨董品を指すのが一般的。ヴィンテージは、元々高級ワインの醸造工程を示す言葉から派生しており、希少価値の高い上質な中古品を意味します。とはいえ、それぞれに明確な違いがあるわけではないので、アンティークやヴィンテージを組み合わせてレトロインテリアに仕上げる方法もあります。

レトロインテリアの特徴

では以下からは、より王道なレトロインテリアの基本スタイルを見ていきましょう。例えば、国民的アニメの『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』の家は、レトロインテリアの時代背景に通ずるものがあります。居間や台所のシーンを思い浮かべてみると、わかりやすいかもしれませんね。

ユーズド感

レトロというくらいなので、現代的でスタイリッシュなピカピカの新品というよりは、あえて使い込まれたような風合いのある家具などを取り入れていきます。また和の様式も残したまま西洋のスタイルをかけ合わせたような、ハイカラなアイテムもレトロインテリアっぽい要素の1つ。今の時代になって見てみると、なんとなくチープ感があるものこそ、レトロインテリアのいい味わいになります。

懐かしさを感じる雰囲気

今時の家具量販店や築浅物件では見かけないような、昔っぽい形状や素材を取り入れていくのも、レトロインテリアの大きな特徴です。例えば、ちゃぶ台・和ダンス・ガラス戸の食器棚・文机や、また当時のキッチンや浴室といった水回りで使われたタイルなど。古い時代のドラマや映画で目にしたような、ノスタルジックな印象にできるのも、レトロインテリアの魅力です。

温かみがある差し色

レトロインテリアでは、少しくすんだような赤・オレンジ・緑など、やさしい差し色を使用するのも特徴です。パキッとした鮮やかな色合いよりも、例えばマスタードイエローやうぐいす色のようなアクセントカラーにすると、より日本の昭和っぽい印象になります。また反対にビビットカラーを入れると、SFっぽいレトロフューチャーなイメージに。バブル期のような、アメリカンなポップさを出したい時のテクニックです。

レトロインテリアをつくる4つのポイント

実際に部屋をつくる際には、次のようにコーディネートしていくと、先ほどもご紹介したレトロインテリアの特徴が出やすくなります。おしゃれなレトロインテリアの部屋づくりの基本として、ぜひとも押さえておきましょう!

素材はウッド

レトロインテリアでは、あえて素材感が見えるような、シャビーな雰囲気のアイテムを使うのがコツ。また、レトロインテリアで外せないのが木材なので、木目の強いウッド家具を取り入れていくのがおすすめです。仮に中古品を利用するにしても、傷や塗装の剥がれなどは、レトロインテリアっぽいエッセンスになりますよ。

ベースカラーはブラウン

テーブル・チェア・ベッド・収納類といった大きめの家具は、どこか懐かしさのある濃いブラウンにするのがおすすめ。厳密にいうと、古くからあるような飴色の木材家具にすると、よりレトロな雰囲気が出ます。アイボリーやベージュなどの明るい色味よりも、落ち着いたトーンにするのがベターです。

壁はホワイト系

前述にもあるように基本的に家具類などはブラウンでそろえていくので、部屋全体が暗くならないためにも、壁紙はホワイト系にするとバランスが取れます。さらにホワイト系のシンプルな壁なら、部分的なアレンジもしやすいのがメリット。ちょっとした柄物のアクセントクロスを取り入れてみると、メリハリができて、よりおしゃれに見えますよ。

古道具やアンティークを置く

年代物の工芸品や美術品など、古きよき時代の空気をまとった小物品を活用すると、レトロ感は増します。例えば黒電話やブラウン管のような昔ながらのアイテムを飾ってみるのも、レトロインテリアの雰囲気を出すコツです。また西洋のアンティーク品であれば、洋風なレトロモダンにもできますよ。

賃貸でレトロインテリアを取り入れるコツ

もし購入したマイホームなら、集合住宅であっても部屋の内装は自由に変えられます。床材や壁紙の張り替えなど、リフォームしながら好きなインテリアを楽しめるでしょう。一方で、原状回復義務のある賃貸物件の場合だと、入居時の状態に戻して返す必要があるので、なかなかそうはいきません。そのため「賃貸で自分好みのインテリアにするのは難しそう……」と感じている方も多いのではないでしょうか?

実は最近では、DIYブームもあって、賃貸物件でも利用できる便利なグッズも出てきています。ちょっとした工夫で、レトロインテリアも十分に再現することは可能!そこで以下からは、賃貸でレトロインテリアにするためのアイデアをご紹介していきます。

リメイクシートを活用する

元々ある壁紙の上から貼って剥がせる、さまざまなデザインのリメイクシートを使うのもひとつの方法。リメイクシートを利用すれば、わざわざクロスの張り替えをしなくても、部屋の雰囲気をガラリと変えられますよ。リビングやキッチンなどに部分的に活用するだけでも、おしゃれな印象を演出できます。レトロインテリアなら、タイル・ボタニカル・幾何学模様などがおすすめです。

ただし商品によって強度が異なるので、剥がせたとしても糊が残ってしまうケースも。なかには剥がしづらいタイプもあるため、事前に口コミを確認する・目立たない場所で数日試すなど、あらかじめ調べておきましょう。

クッションフロアを敷く

床材のアレンジには、元のフローリングの上から敷いて使えるクッションフロアがおすすめ。マスキングテープと両面テープによって貼り付けたり、接地面が吸着素材になっていたり、さまざまな種類があります。もちろんデザイン性も豊富なので、昭和っぽいタイルや柄物のビニール床も、クッションフロアを利用して再現可能です。

もしクッションフロアを敷くのが難しい場合には、カーペットやラグを使用してレトロな雰囲気を出す方法もあります。ペルシャ絨毯風や花模様など、柄物のファブリックにするとレトロチックにできます。

照明はアンティークなものにする

直接天井に設置する一般的なシーリングライトよりも、アンティーク感のある照明にすると雰囲気が出やすくなります。例えばドーム状のランプシェードを吊り下げると、レトロっぽい印象にできておすすめ。その他にも、古いお屋敷にあるようなペンダントライトや、ステンドグラスの間接照明なども、レトロインテリア感が増してGOODです。

ソファやカーテンなどはくすみカラー

大きめの布製品は、部屋全体の差し色にできるアイテムなので、先ほども出てきたような温かみのあるくすみカラーにするのが定番です。さらにソファや椅子の座面は、光沢のあるレザーにしてみるのも、ヴィンテージなレトロ感があっておすすめ。チープさがあるのもレトロインテリアの魅力ですが、あまりに安っぽく見えすぎないためのコツでもあります。

穴が目立たないピンやフックを使用する

レトロインテリア感のある時計・絵画・写真など、壁装飾を取り入れたい時には、穴が目立たないピンやフックを使うのがベストです。取り外した時の跡が残りにくく、賃貸でも安心して利用可能。例えば、レトロチックなタペストリーやブリキ看板などを飾りたい時にも便利ですよ。

レトロインテリアで失敗しないためのコツ

レトロインテリアに限らず、おしゃれな部屋づくりのためには、やはりバランス感が重要。次のような点にも注意してレトロインテリアを取り入れていくと、まとまりのあるハイセンスな部屋に仕上がります。

テーマを決める

レトロインテリアは古さを活かしたスタイルですが、そのなかにも昭和・大正・アメリカン・北欧・モダンなど、さまざまなテイストがあります。まずは自分の好きなイメージがどれなのか、しっかりと固めておくことが大切。漠然と古いアイテムを取り入れるのではなく、あらかじめテーマを決めておいたほうが統一感も出ます。

異なるテイストを入れ過ぎない

前述のように部屋のテーマを決めたら、なるべく他の要素は入れないほうがベター。例えば北欧レトロ×大正というように、テイストを混ぜて部屋を仕上げていく方法もありますが、あまりに違いすぎるものを加えすぎると、バランスが悪くなってしまいます。基本的は1つのテーマに沿ってそろえていくのが無難です。

抜け感を出す

レトロ風の小物・雑貨・家具などを使うのも大切ですが、無理に入れ込みすぎないように要注意。アイテムが多くなりすぎると、部屋全体がごちゃごちゃして見えますし、レトロインテリアらしい落ち着いた雰囲気が半減してしまいます。ほどよくレトロインテリアらしさを出しつつも、窮屈に見えないレイアウトを意識しましょう。

レトロインテリアの事例を紹介!

おしゃれでこだわりのある部屋作りを紹介する『こだわり部屋FILE』から、「レトロインテリア」の実例を紹介いたします。実際のお部屋づくりの参考にしてみてくださいね。

本とCDに囲まれたサブカル部屋

佐野直樹さんのお部屋「本とCDに囲まれたサブカル部屋

こちらは、まるで昭和初期の文豪のような、和風レトロを全面的に演出した部屋です。元々の和室のレトロ感を存分に活用し、昭和感のあるチェア・ガラス棚・ローテーブルなどを取り入れることで、ノスタルジックな印象に仕上げています。

70年代のヴィンテージ小物で囲まれたレトロ空間

こちらは、アメリカンネイティブなレトロ感もある、ヴィンテージ風の部屋になっています。レトロインテリアらしい柄物の壁紙やファブリックで統一することで、どこか民族感のある雰囲気を演出。ガーリーながらも、ウエスタンな印象もあるレトロインテリアです。

和室を昭和レトロで彩るほっこりROOM

ちひろさんのお部屋「和室を昭和レトロで彩るほっこりROOM

こちらは、懐かしい温かみのある、昭和レトロな部屋に仕上がっています。家具類はダークブラウンでまとめつつ、カラフルな壁かけのテキスタイルや個性的な雑貨類で、昭和っぽいハイカラ感を演出。おしゃれさとリラックス空間が両立しています。

舞台関係カップルの クリエイティブなレトロ部屋

健太郎さんと陽歩さんのお部屋「舞台関係カップルの クリエイティブなレトロ部屋

こちらは、北欧レトロな印象が強い、ナチュラル感のあるやさしい印象の部屋になっています。床・柱・梁のウッド感をしっかりと活かしつつ、素材感を活かした木の家具やアースカラーのファブリックで、レトロインテリアらしいアクセントを付けているのがポイントです。

ポップさと多彩な色を散りばめた 自分だけのレトロ空間

こちらは、日本の昭和っぽい、カラフルな家具たちが印象的なレトロインテリアの部屋です。ちゃぶ台やソファもレトロ感のあるブラウンでまとめつつ、所々に個性的でハイカラなアイテムを散りばめることで、どこかキッチュな雰囲気を演出。和室とのバランスもGOODです。

レトロアイテムと異国文化が混ざった女の子のルームシェア

こちらは昭和レトロな雰囲気と、どこか大人なモダン風のバランスが絶妙に組み合わさった部屋になっています。キッチンの壁やラグは昭和っぽいタイル地で、ペイズリー風のカーテンもどこかレトロな印象に。またシンプルかつ落ち着いたカラーリングでまとめることで、シックな印象も演出しています。

コーヒーが好きな二人の光溢れる落ち着き空間

ヤスさんとヨーコさんのお部屋「コーヒーが好きな二人の光溢れる落ち着き空間

こちらは、ほっと安らぐ昭和後期の雰囲気もある、ほどよい生活感がリラックス空間を生み出しているレトロインテリアになっています。赤いタイルの壁になったキッチンからは、まさにレトロな空気が漂っており、またウッド調のナチュラルな家具も温かみある印象につながっています。

まとめ

いかがでしたか?
レトロインテリアは、洋室でも和室でも取り入れやすいスタイルで、特に築古の物件にぴったり。元々の部屋の雰囲気を存分に活かしながら、おしゃれなインテリアの味わいとして、古さを魅力にできます。また懐かしい空気感によって、リラックスできる空間演出ができるのも、レトロインテリアのメリットの1つ。ぜひ本記事を参考に、おしゃれで癒される部屋づくりをしてみてくださいね。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。 愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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