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焼津温泉をせっけんに 東海大と地元施設、開発大詰め

 焼津市駅北の元湯なかむら館が東海大人文学部の学生と共同で取り組んでいる同館の源泉かけ流しの湯を使ったせっけんの開発が大詰めを迎えている。昨年9月から、学生が中心となって材料や製法、コンセプトなど議論を重ね、カラフルな見た目の泡立ちのよい商品に行き着いた。25日に同館で行うマルシェイベントで試作品を販売する。

焼津温泉の湯を使ったせっけんの販売法を話し合う植田社長(右)と学生ら=焼津市駅北の元湯なかむら館
焼津温泉の湯を使ったせっけんの販売法を話し合う植田社長(右)と学生ら=焼津市駅北の元湯なかむら館

 同館の植田正樹社長が焼津温泉の認知度向上を図ろうと温泉を使った商品開発を企画。温泉に詳しい同大の斉藤雅樹教授に相談して温泉の湯を使ったコーヒーなど商品のアイデアを出し合い、家庭で手軽に使えることから、せっけんに決めた。同大1年生(当時)の学生14人が加わり、月1回集まって、商品のコンセプトやターゲットなど検討を重ねてきた。
 せっけんはあらかじめ用意した素地に、同館の温泉の湯を混ぜて作る。せっけんの製作工程では通常、塩を入れて製品を長持ちさせるが、焼津温泉はもとより塩分を多く含んでいることから、斉藤教授は「製品が安定している」と特長を示す。植田社長は「焼津温泉の良さを家庭でも味わってほしい」と語る。
 マルシェイベント1週間前の18日には、プロジェクトに参加する学生5人が同館に集まり、本番前最後の作業に取り組んだ。価格や販売スタイルを話し合った後、当日販売するせっけんを製作した。マルシェではせっけんの製作が体験できるワークショップも行う。
 (焼津支局・福田雄一)

 焼津温泉 地下1500メートルの地層から湧出する天然源泉。海水の濃度のほぼ半分の塩分を含む塩化物泉で、肌にやさしい弱アルカリ性の湯は保湿効果が高く湯冷めしにくい。全国の温泉地を対象にした人気投票「温泉総選挙」のリフレッシュ部門では2023年で、5年連続全国1位となっている。元湯なかむら館、JR焼津駅前と市役所前にある足湯など市内11施設で楽しめる。

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