裾野「未来構想」 地域課題解決へトヨタ実証都市計画と連携探る

 裾野市の高村謙二市長は7日、トヨタ自動車が市内に2021年初頭をめどに建設着工する実証都市「コネクティッド・シティ」計画について、多様なモノやサービスをインターネットでつなぐ先進技術の研究成果を取り込み、新しいまちづくりを加速させる考えを表明した。子育て環境や医療福祉の充実など地域が抱える課題の解決に実証都市の狙いが合致すると判断、トヨタとの連携を探る。

実証都市「コネクティッド・シティ」の建設が予定されるトヨタ自動車東日本東富士工場=7日午前、裾野市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
実証都市「コネクティッド・シティ」の建設が予定されるトヨタ自動車東日本東富士工場=7日午前、裾野市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
トヨタ自動車が建設する「コネクティッド・シティ」のイメージ
トヨタ自動車が建設する「コネクティッド・シティ」のイメージ
実証都市「コネクティッド・シティ」の建設が予定されるトヨタ自動車東日本東富士工場=7日午前、裾野市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
トヨタ自動車が建設する「コネクティッド・シティ」のイメージ

 市は19年度内を目標に、先進技術を生かしたまちづくりの将来像を描く次世代型近未来都市構想を策定中。実証都市がロボットや人工知能(AI)も活用した「暮らしの実験場」となることから、宅地化を可能とする計画地の用途変更手続きも着工時期までの完了を目指すなど、構想に協力する方針だ。
 市によると、実証都市で展開される先進技術はさらに、道路管理や廃棄物処理、公共交通、エネルギーなどの課題解決にもつながる。トヨタだけでなく市内大手企業、大学、国、県、市民も参画。市域全体に導入し、必要となる規制緩和を進めるために、国に働き掛けていくという。
 2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本東富士工場(同市御宿)跡地は都市計画法の用途地域として、住宅設置が認められていない工業専用地域に指定されている。市はトヨタから計画の詳細を聞き、市の計画との適合性を確認し、用途変更を判断する。住民説明会や公聴会、県との協議を経て、都市計画審議会が承認すると住宅の建設が可能になる。
 高村市長は「構想が実現できるよう国や県に働き掛けたい。技術革新に伴う社会や生活の大きな変化に対応できるまちづくりを裾野で展開したい」と話した。
 同社が発表した計画では、予定地は同跡地を中心とした70万平方メートル。他企業や研究者と連携し、街の名称は「Woven City(ウーブン・シティ)」。

 ■知事「新しい日本の姿に」
 トヨタが表明した裾野市での実証都市コネクティッド・シティ構想について、川勝平太知事は7日、「大きな期待を抱いている。裾野市と一緒に応援していきたい」と歓迎した。
 知事は「AIの時代を見越し、新しい日本の姿、科学技術が人間のために生かされているという姿を見せる実証都市になると思う」と述べ、県東部で健康医療産業の集積を図るファルマバレープロジェクトが進行中であることを指摘し「相乗効果も生まれる」と期待を寄せた。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞