東証 史上最高値 終値3万9098円 34年ぶり更新 バブル期超え 大きな転換点に

 22日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)がバブル経済期だった1989年12月29日の水準を上回り、約34年ぶりに史上最高値を付けた。22日の終値は前日比836円52銭高の3万9098円68銭。企業業績の拡大を背景に、賃金と物価がそろって上昇する経済の好循環に期待が高まった。半導体関連企業の業績が伸びるとの観測も株価を押し上げた。長く低迷が続いた日本の株式相場は大きな転換点を迎えた。

3万9098円68銭を付けた日経平均株価の終値を示す証券会社のモニター=22日午後、東京都千代田区
3万9098円68銭を付けた日経平均株価の終値を示す証券会社のモニター=22日午後、東京都千代田区
バブル経済期からの日経平均株価の推移
バブル経済期からの日経平均株価の推移
3万9098円68銭を付けた日経平均株価の終値を示す証券会社のモニター=22日午後、東京都千代田区
バブル経済期からの日経平均株価の推移

 平均株価は終値ベースと取引時間中のいずれも最高値を更新。取引時間中に一時、3万9156円97銭を付けた。年初からの上げ幅は5千円を超え、急ピッチで上がってきたが、野村証券の沢田麻希ストラテジストは「今後も調整局面を挟みながら、4万円に向けて緩やかな上昇が続く」と見通した。
 東証株価指数(TOPIX)の終値は33・41ポイント高の2660・71で、34年ぶりの高水準。出来高は約17億6900万株だった。
 2023年度の企業業績は、過去最高水準となる見通しだ。新型コロナウイルス禍後、経済活動が回復。外国為替市場の円安ドル高基調が輸出企業の業績を押し上げた。
 ロシアのウクライナ侵攻後、歴史的な物価高が続いた。企業は商品を値上げする一方、賃上げの動きも加速させた。株式市場では長年続いたデフレからの脱却に近づいたとの受け止めが広がった。
 平均株価は1990年以降、下落基調に転じ、低迷が長引いた。リーマン・ショック後の2009年3月10日には終値としてバブル後の最安値となる7054円98銭を記録。12年に当時の安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」が始まったのを機に上昇基調を取り戻した。13年に日銀が導入した大規模な金融緩和策も株価を支えた。

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