世界の大多数「軍縮求めている」 NY核禁会議を前に中満氏

 【ニューヨーク共同】核兵器禁止条約の第2回締約国会議が27日(日本時間28日)、ニューヨークで開幕する。国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が26日までに共同通信の取材に応じ、核の脅威が高まる中「世界の大多数の国々が核軍縮を求めている。その声に焦点を当て、政治的な圧力を強める非常に重要な場になる」と期待を寄せた。

インタビューに答える国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長=21日、ニューヨーク(共同)
インタビューに答える国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長=21日、ニューヨーク(共同)

 条約に反対する日本や核保有国には、オブザーバー参加など「建設的な対話」を促した。
 核保有国ロシアによる非核国ウクライナへの侵攻で「核兵器を持つことが究極の安全保障だという言説が広がりつつある」と指摘。米ロの対話は途絶え「誤算による核使用のリスクは冷戦の最盛期並みに高まっている」と危機感を示した。
 パレスチナ自治区ガザ情勢でも、イスラエルを擁護する米国とアラブ諸国などとの分断が深まり「軍縮に向けた多国間外交を一層困難にしている」と述べた。安全保障環境は悪化しており、会議に参加する日本の被爆者には「『目を覚ませ』と強力なメッセージを発信してほしい」と語った。
 昨年6月の第1回締約国会議で採択した「ウィーン宣言」が「いかなる核の威嚇も非難する」と明記したことで、核の脅しを拒絶するとの明確な国際世論をつくったと強調し「条約が核軍縮の分野で役割を果たし始めている」として、締約国会議の意義を訴えた。
 核保有国や米国の「核の傘」の下にある日本は今回の会議には不参加。中満氏は「条約に懸念があるなら、オブザーバーとして出席して締約国に意見を表明すべきだ。それ自体が対話になる」と呼びかけた。

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